CX(顧客体験価値)が重要視される2つの理由!コールセンターで取り組むべき3つの施策を紹介
商品やサービス自体での差別化が困難となる現代社会において、多くの企業が「CX(顧客体験価値)」に注目しています。あらゆる顧客接点で良質な体験を提供できれば、競合他社との差別化に成功し企業の市場価値を高めることが可能です。
そこで今回の記事では、CX向上の重要性やメリットについて解説します。さらに、貴重な顧客接点となるコールセンターのCX向上に有効な3つの取り組みについても紹介します。企業のCX向上に向けた取り組みをイメージできる内容となっているので、ぜひ最後までお読みください。
目次
CXとは?CSとUXとの違いを解説
ビジネスシーンで耳にする「CX」ですが、ほかにも似たような言葉で「CS」や「UX」などがあります。顧客体験価値の向上に向けて、これらの言葉の持つ意味をよく理解しておきましょう。
CX(Customer Experience)とは
CXは「顧客体験価値」という意味を持ち、商品・サービスを購入する前から購入後のアフターフォローまでを含んだすべての体験に対する価値を指します。商品やサービスに対する満足感とは別に、購入によって得られるすべての体験を含んでいるのが特徴です。近年は技術の進化や価値観の多様化により、機能・価格では競合他社との差別化が難しくなっています。そのため、商品やサービス自体以外の部分で得られる体験価値が重視されています。
たとえば、インテリアが素敵なカフェやアフターサービスが充実しているお店に行けば「また行きたい」「誰かに教えたい」と感じるのではないでしょうか。CXを向上させるためには購入前のイメージから購入後のサポートまで、広い範囲で良質な顧客体験を提供することが大切です。
CS(Customer Satisfaction)との違い
CSとは、商品やサービスに対して顧客が抱く満足度を数値化したものです。顧客満足度は個人の価値観などでも変化しやすく、曖昧な部分があります。しかし、アンケートやNPS(顧客ロイヤリティ調査)などを通して、顧客が抱く満足感や不満の度合いを数値化できるのがCSの特徴です。
商品開発やサービス改善に不可欠な指標として用いられており、多くの企業で独自の調査が行われています。CSには、顧客が持つ商品への期待値が大きく影響します。顧客の期待を超える満足度を与えることが、CSを向上させる重要なポイントです。CXは顧客側が感じる満足度なのに対して、CSは企業側が測定した満足度であるのが特徴です。
UX(User Experience)との違い
UXとは、顧客が1つの商品・サービスを通じて得られる体験を指します。主にWebデザイン関連の仕事で耳にする言葉で、ページの見やすさや字の大きさなどサービスの質に影響する体験がUXです。UXは実際にサービスを利用してみた感想や印象であるのに対し、CXは購入していない人に対しても発生するため対象範囲が広くなります。
UXは、製品やサービスの質を向上させることを目的とした指標です。以前は製品やサービスの利用に限定して捉えていましたが、コモディティ化が進んだ現代では購入時や使用後などあらゆるフェーズで利用されています。UXはCXより対象範囲が狭いため、限られた部門での対策が可能です。一方で、CXは企業戦略にも大きく影響するため、近年はUXやCSより重視される傾向があります。
CXが重要視されている2つの理由
実店舗や商品ページの案内ではなく、口コミやSNSを参考にしている顧客は多いです。また、同じ商品なら評価のいいお店で購入したいと考えます。このように、現在は商品やサービス自体の価値のみでなく、購入に関わるすべてのフェーズで良質な体験を提供することが重要です。企業にとってCXが重要である理由について、より詳しく見ていきましょう。
顧客接点が増加しているから
デジタル技術の発展とともに、顧客がさまざまなデバイスを用いて商品やサービスの情報を検索できるようになりました。さらに、SNSの普及により購入者は商品の使用感などを簡単に発信できるようになったことで、企業が関与しない顧客接点も増えています。特にSNSでは気軽に投稿・閲覧できることから、多くの方がお店選びや商品購入の参考にしています。
商品の使用感だけでなく購入する際の接客やアフターフォローなど、顧客目線の評価はより具体性があり身近に感じやすいのも重視される理由と言えるでしょう。このように、現代社会では顧客接点が増え複雑化しているため、あらゆるフェーズで良質な顧客体験を提供しCXを向上することが重要です。
商品やサービスでの差別化が困難だから
モノが溢れる現代社会で自社の製品を購入してもらうには、商品・サービス以外で差別化を図る必要があります。また、最近は商品自体の性能やサービスの充実度より、商品購入後のアフターサービスや店内の雰囲気など感情に訴えかける価値を求める顧客が増加傾向にあります。
そのような時代で競争優位に立つためには、あらゆる顧客接点で体験価値を高めることが大切です。たとえば、購入したい商品が高価であれば保証やアフターサービスが気になります。幼い子どもと外食をしたい人は、店の雰囲気や客層に気を遣うでしょう。このように、商品やサービス以外の部分で判断する顧客の増加が、CXが重要視されるようになった理由です。
CXを向上させるメリット3選
CXを向上することで得られるメリットには、以下のようなものがあります。
- リピーターの獲得
- 競合他社との差別化
- 口コミによる宣伝効果
具体的なメリットを知ることで、より効果的な企業戦略に取り組むことができます。ここでは3つのメリットについて、詳しく見ていきましょう。
リピーターの獲得
CX向上に注力することで、商品や企業に愛着を持つ顧客が増えます。良質な顧客体験を得られることで、顧客は安心感や信頼を持てるため「また利用したい」と感じ、リピーターとなってくれるでしょう。新規顧客の獲得は費用と時間がかかるため、企業にとってリピーターを増やすことは非常に重要です。
リピーターとなった顧客は、関連製品など別の商品を購入する際も同じメーカーやブランドを選ぶ傾向にあります。そのため、リピーターを増やすことで収益を安定化させることが可能です。「自分がブランドに貢献している」と愛着を持つリピーターは、家族や友人など第三者へ商品・サービスを紹介する効果も期待できるでしょう。
競合他社との差別化
CXが向上し競合他社との差別化ができれば、既存顧客を失うリスクを避けられます。CXを向上することで、類似商品に優位性をもたせて購入率を高めることが可能です。また、同じ機能をもった商品でもお気に入りのブランドで購入する顧客は多いため、期待を裏切らない質の高い顧客体験を提供することが大切です。
競合他社の商品やサービスへの流出は、企業にとって大きな損失に繋がる恐れがあります。さらに、新規顧客獲得にかかるコストは非常に大きいため、収益をアップするためには既存顧客の維持が重要です。継続的なCX向上に取り組みブランディングを成功させることで、コモディ化が進む現代社会で競争優位を保てるでしょう。
口コミによる宣伝効果
SNSの普及により、顧客が自らの体験を発信する機会が増えています。実際に使用した感想に加え、写真や動画付きでよりイメージしやすいのがSNSの魅力です。顧客目線での評価を知ることができるため、多くの方がSNSや口コミを参考にしています。そのため、SNSや口コミによる宣伝効果は非常に大きく、企業にとっても重要な役割を果たします。
SNSや口コミは企業からの発信とは異なり、費用がほとんどかからない宣伝方法です。CX向上を意識した顧客接点を増やすことで、コストをかけずに新規顧客獲得の確率を高める効果が期待できます。インターネットを介した口コミは、顧客に近い人だけでなく世界中のあらゆる人に見てもらえるため、非常に大きな宣伝効果となるでしょう。
CX向上において重要な役割を担っているコールセンター
貴重な顧客接点であるコールセンターは、企業のCX向上の重要な役割を担っており注目されています。コールセンターに寄せられる問い合わせの多くは、商品の不具合やサービスへの不満です。電話をかけてきた時点で何かしらの不満を抱えていることが多く、対応を間違えるとよりネガティブな印象を与えてしまいます。
そのため、コールセンターではスピーディかつ丁寧な問題解決が求められます。電話のつながりやすさやオペレーターの話し方など、あらゆる事柄において良質な顧客体験を提供することが重要です。単に問題が解決できれば良いのではなく、顧客が「また利用したい」と思えるレベルの顧客体験でなくてはなりません。コールセンターのCX向上は、企業のイメージアップや収益を得るための重要な取り組みです。
CXを意識したコールセンターの3つの取り組み
CX向上につながるコールセンターの取り組みを紹介します。
- チャネルの多様化
- 音声認識ソリューション
- VOC分析サービス
コールセンター運営において、課題を抱える企業は多いです。ここでは3つの取り組みについて解説しますので、自社の抱える問題点や課題解決の施策として検討してみてください。
チャネルの多様化
電話応対だけでなく、メールやチャットなど多様なチャネルを用意することで、コールセンターのCX向上が期待できます。顧客にとって都合の良いチャネルを選択できるため、時間帯や日時を気にせず問い合わせが可能です。疑問や不安を感じた際にいつでもサポートを受けられるので、顧客体験価値が高まるでしょう。
人の対応が必要ない簡単な質問などは、気軽に問い合わせができる「チャット」が有効です。AI搭載型や自動チャットボットなどがあり、種類によって得意とする内容が異なります。そのため、問い合わせ内容に合ったチャネルを用意し、多くの顧客が利用しやすい仕組みを作ることが大切です。また、チャットは問い合わせ受付だけでなく営業チャネルとしても活用できます。ご興味のある方は、ぜひ「NTTネクシア」の資料をご覧ください。
音声認識ソリューション
音声認識システムを利用することで、リアルタイムで応対記録を残すことが可能です。コールセンターでは、顧客情報や問い合わせ内容を記録する後処理の時間が必要です。音声認識システムにより入力作業をなくすことで、後処理にかかる時間を削減し応答率の向上に繋がります。コールセンターにおいて電話のつながりにくさは、顧客の不満を増幅させる要因の1つです。
そのため、応答率がアップし電話がつながりやすくなることで、顧客体験価値の向上が期待できます。また、通話中の会話を読み取り最適な回答を検索することができるため、迅速な対応が可能となり顧客の信頼を得られます。さらに、音声認識・チャットボット、音声合成などのデジタル技術を融合させることで、音声による電話応対をAIが行うことも可能です。音声認識ソリューションにご興味のある方は、ぜひ「NTTネクシア」のAI音声応答サービス(ボイスボット)の資料をご覧ください。
VOC分析サービス
VOC分析とは、顧客の声を収集して企業戦略に役立てる分析手法を指します。「お客様の声」を可視化することで、顧客のニーズを踏まえた商品・サービスの改善が可能です。多くの企業で導入ニーズが高まっており、現在注目されているサービスの1つです。顧客体験価値やリピート率が低下している場合、VOC分析は有効な手段と言えるでしょう。
顧客情報として入力したデータからは見えてこない部分を、あらゆる手法で分析し顧客の真のニーズを追求します。企業の問題点や課題を洗い出し、より良い商品・サービスの提供に貢献します。「NTTネクシア」では、VOC(お客様の声)分析サービスをご用意しておりますので、ご興味のある方はぜひ資料をご覧ください。
CX向上を目的としたコールセンター運営は「NTTネクシア」へお任せください
顧客の消費行動が変化している現在の企業戦略において、CXの向上は重要なポイントです。CXを向上するためにはあらゆる顧客接点において、良質な顧客体験を提供することが大切です。しかし、デジタル技術が進んだことにより、顧客と企業の接点は複雑化し何から手を付けるべきか悩む企業は多いでしょう。
そんな中、コールセンターは顧客と直接関りを持てる貴重な顧客接点であり、CX向上を目指す多くの企業が導入しています。「NTTネクシア」では、チャネルの多様化や音声認識ソリューションなどさまざまなシステムを活用し、CX向上に繋がるコールセンター構築が可能です。企業全体のCX向上を目指す方は、お気軽に「NTTネクシア」へご相談ください。
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