電話によるクレーム対応基本の5ステップ!対応ポイントとクレームを減らす方法も解説
日々、お客さまからの問い合わせを受けるコールセンターでは、クレーム対応が求められるケースがあります。クレームはお客さまからの「貴重なご意見」です。適切な対応を行い改善することで、リピーター獲得や顧客満足度向上に貢献します。
そこで今回の記事では、電話でのクレーム対応の基本ステップを紹介します。クレーム対応時のポイントも解説しますので、コールセンターの品質向上を目指している方はぜひ最後までお読みください。
目次
クレームが発生する主な原因
クレーム対応を行う際は、顧客が「何に不満を感じているか」を正しく理解することが大切です。ここでは、クレームが発生する主な原因について解説しますので、顧客が不満を感じやすいことを理解しておきましょう。
商品やサービスに対する不満
クレームで多いのが、商品やサービスの品質に対する不満が起因となっているケースです。具体的な例として、以下のようなクレームがあります。
- すぐ壊れた
- 部品が不足している
- 汚れが付着している
- 写真と実物が違いすぎる
- 予約漏れや日時の間違い
上記はあくまで一例ですが、クレームの多くが商品・サービスの欠陥や不具合など顧客の期待を下回った場合に起こります。また、クレームを言う顧客の心情はさまざまです。「商品が使えなくて困っている」「損をしたと感じて気分を害している」など、事象によって顧客の感情が異なる点も理解しておきましょう。
接客態度に対する不満
こちらも代表的なクレームで、店舗や窓口の接客態度に対する不満が起因となっているケースです。従業員の言葉遣いや態度に問題がある場合、当然ながら顧客は不満を感じてクレームへと発展するでしょう。
さらに、コールセンターでのクレーム対応に不備があれば、顧客の不満は倍増し問題を大きくしてしまいます。対面・非対面に関わらず、企業と顧客の接点における不満はクレームに発展する可能性が高まりますので丁寧な対応が必要です。
電話でのクレーム対応における基本の5ステップ
電話によるクレーム対応を行う際は、状況を正確に把握し適切に対処することが必要です。5つのステップでのポイントを詳しく解説しますので、クレーム対応を行う際の参考にしてみてください。
相手の話をよく聴き「心情を理解」する
まずは、顧客の話を最後まで聴くことが大切です。このとき、途中で話を遮ってはいけません。言い訳や相手の話を否定するようなワードは一切使わず、顧客の感じたことや思っていることを受け止めましょう。相手のテンポに合わせて相槌を打ち「聴いている」と伝わるよう傾聴します。
話を聴き終えたら、お客さまの心情に寄り添った一言を添えて「不快・不安な思いをさせてしまったこと」に対してお詫びします。この時点で会社側に非があると判明している場合は、クレームの原因となったポイントに対してお詫びしましょう。
経緯や理由を聞き「事実を確認」する
顧客の話を聴き終えてクレームに発展した理由が分かったら、いくつか質問を交えて事実確認を行います。ここで大事なのは、問題になっていることを正確に把握することです。状況把握が正しく行えていないと、適切な対応に繋がりません。
クレームに発展するまでの経緯をしっかり聞き取り、事実と問題点を確認します。質問をする際は、相手の意見を確認しながら短く分かりやすい言葉で行いましょう。このときも、相手の話への理解を示すことが大切です。また、不具合や不満点など「ご迷惑をおかけしている点」を具体的に提示し、共通認識として次のステップに進みましょう。
問題に対する「解決策を提示」する
事実確認を行い問題点の把握ができたら、迅速に具体的な解決策を提示します。解決策を提示する際に大事なのは「顧客視点に立つ」ことです。また、調査や確認のための時間が必要な場合は折り返し連絡する旨を伝えましょう。その際は、どれくらいの時間を要するかも一緒に伝えます。
もし会社側に非がなく、対応できることがない場合は慎重にお断りの説明を行いましょう。相手の気持ちを考えた言葉選びと、納得できる丁寧な説得が必要です。
再度「お詫びと感謝」を伝える
提示した解決策に納得していただけたら、再度お詫びをお伝えします。問題に対して誠心誠意お詫びし、企業への信頼回復に努めなければなりません。また、クレームは商品やサービスの改善に繋がる「貴重なご意見」です。時間を割いて連絡していただいたことに対して、感謝の気持ちを伝えることも大切です。
クレームの内容を「社内で共有」する
クレーム対応後は、内容を共有し再度同じ顧客からの問い合わせがあった場合に備えましょう。担当者が不在の場合でも、迅速に対応できる体制を整えることが大切です。情報共有を適切に行うことで、クレーム対応の負担軽減に繋がります。
また、対応内容を社内で共有し、同じクレームが発生しないよう対策を取り行動することで、頂いたご意見を大切にしている姿勢を伝えられます。
クレーム対応で気を付けるべき3つのポイント
クレームの電話では、相手が感情的になっている場合が多いです。オペレーターの言い回しや態度に敏感になっているため、感情を刺激しないよう注意が必要です。また、なかには理不尽な要求を受けるケースもあります。この章ではクレーム対応におけるポイントや、理不尽な要求があった場合の対処方法について解説します。
待たせない
顧客は不満を持って電話をかけているため、待ち時間が長いと不快な気持ちを増幅させてしまいます。例えば、電話を受けたオペレーターだけでは解決が難しい場合、担当者へ引き継ぐか上司に確認をする必要があります。
その際に保留時間が長くなると、相手は待たされたことに対してさらなる不満を持つ可能性があります。どうしても保留をしなければならない場合は、具体的な待ち時間を伝えるか折り返し電話を行う旨を伝えていったん電話を切るなど、相手を不快にさせないようにしましょう。
言い訳や反論をしない
話の途中、もしくは聞き終えた後に言い訳や反論をしてはいけません。言い訳や反論ととられる言い回しには、以下のようなものがあるので注意しましょう。
- でも
- ですから
- そうではなく
- そう言われましても
- 急いでいたので
上記のようなワードを使って話を進めると、顧客の気持ちが落ち着くどころかヒートアップしかねません。言い訳や反論は不信感や怒りを増幅させるため、聴くことに集中しましょう。ただ聴くだけでなくメモをとっておくと、何度も同じ質問をせずスムーズな対応が可能です。
理不尽な要求には応じない
クレーム対応を行っていると、ときには理不尽な要求を求められるケースがあります。事実関係が分からない状況での金銭的要求など、悪意からくるクレームには簡単に応じてはいけません。自社に非のないクレームには、毅然とした態度で対応しましょう。
コールセンター起因のクレームを減らす方法3選
商品やサービス、実店舗の接客などに対する不満だけでなく、コールセンターでの対応がクレームにつながるケースも多くあります。クレーム対応の質を向上させるとともに、コールセンターの対応が原因で発生するクレームの数を減らすことにも注意して見ましょう。ここでは、コールセンターでできるクレーム削減の方法について解説します。
オペレーター教育
コールセンターへの電話は、商品の不具合やサービスへの不満を感じている場合が多いです。そのような電話に対応する際、オペレーターの言葉遣いや態度が悪いとさらなるクレームへと発展してしまいます。
そこで、顧客と直接関わるオペレーターの教育を徹底することで、応対スキルが向上しクレームに発展する事案を減らせます。オペレーター教育で重視したいポイントは、以下の3つです。
- コミュニケーション能力
- 問題解決力
- 事務処理スピード
言葉遣いや話すスピードなどはもちろんのこと、顧客の気持ちに共感する力を養うなどコミュニケーション能力を高めましょう。また、問題に対して適切な対処を行い解決できる力や、事務処理スピードをあげ応答率を向上させることも必要です。電話がつながりやすく、迅速に問題解決できるコールセンターであれば、顧客満足度が向上するためクレームの減少が期待できるでしょう。
トークスクリプトの作成
コールセンターではオペレーターの経験の差により、応対スキルに差が出やすいです。そこでトークスクリプトを作成し、言葉遣いなどについてまとめておくことで、企業全体としての対応のバラツキをなくすことができます。
事例別に理想的な対応を明示しておけば、誰もが適切な対応を行えるので接客態度に起因するクレームを減らせるでしょう。ただし、トークスクリプトの質が低いと応対品質も低下するため、改善や更新を繰り返して最適な状態を維持することが大切です。
定期的なVOC分析
VOC分析により顧客のニーズを知ることができれば、商品やサービスの改善点を見つけ出すことが可能です。事前にVOCを集めて分析することで、顧客が不満に感じる点への対策を講じることができるため、クレームに繋がる問題や課題の解決に役立ちます。また、分析結果を社内全体で共有すれば、企業全体の業務改善に繋がりクレームを減らすことができるでしょう。
「NTTネクシア」では、コールセンターに集まる「お客さまの声」を見える化し、顧客満足度向上や収益拡大などに貢献する「VOC(お客さまの声)分析サービス」を提供しています。VOC分析サービスの結果を活用することで、顧客のニーズ把握が可能です。お試し分析も利用可能なので、お気軽に「NTTネクシア」へご連絡ください。
クレーム対応をスムーズに行うシステム3選
コールセンターのクレーム対応をスムーズにする、3つのシステムを紹介します。クレーム対応に課題を抱えている場合は、コールセンターシステムの見直しも検討してみましょう。ここでは、3つのシステムの特徴や解決できる課題について解説します。
CTI
CTIとは、電話とパソコンを繋ぐシステムです。入電時に発信者の電話番号で検索した情報を、自動的にパソコン画面に表示する等の機能があります。CTIを導入することで事前に顧客情報を確認できるため、顧客に合わせた柔軟な対応ができるでしょう。
また、IVR機能を併せ持ったCTIであれば、自動音声案内機能により顧客のニーズに合った部署・オペレーターへ接続できるのでたらい回しを防げます。スピーディな対応と適切な対処が可能となり、クレーム対応の品質向上に繋がります。
音声録音システム
クレーム対応をする際は、顧客とのやり取りを逃さず聞き取ることが大切です。しかし、感情が高ぶり早口になる顧客もいるため、内容を正確に聞き取るのが困難な場合もあります。
そこで、顧客との通話を録音できる「音声録音システム」が有効です。聞き漏らしを防ぎ、担当者への引き継ぎも簡単に行えるのでトラブル防止にも効果があります。また、録音したデータをオペレーター教育に活用できるのもメリットです。
CRM
CRMは、顧客の基本情報や購入履歴などさまざまな情報を管理しています。クレーム対応時にCRMに蓄積された対応履歴を確認することで、スムーズな問題解決が期待できるでしょう。これまでの経緯を確認して対応すれば、顧客は何度も同じ話をしなくて済むためストレスを減らせます。
CRMに蓄積された情報をもとに対応することで、スムーズなクレーム対応が可能です。迅速な問題解決は、オペレーターの対応に起因したクレームの削減に繋がります。
適切なクレーム対応を実施して顧客満足度を向上させましょう
適切なクレーム対応により顧客満足度が高まれば、不満客からリピーターに変わることもあります。クレームは業務改善や商品開発のヒントとなる重要な「お客さまの声」であることを忘れず、誠心誠意対応することが大切です。また、単なる問い合わせがオペレーターの対応によりクレームに発展するケースもあります。
「NTTネクシア」では、コールセンターの応対品質を客観的に知ることができる「応対診断サービス」を提供しています。コールセンター全体の応対品質や個人のスキルチェックなど、企業さまのご要望に沿った診断が可能です。クレームが増えたと感じる場合やコールセンターの品質向上を目指している企業さまは、お気軽に「NTTネクシア」へご相談ください。
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