【完全版】コールセンターの稼働率とは?占有率・応答率との違いと適正な管理方法を解説

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画像:【完全版】コールセンターの稼働率とは?占有率・応答率との違いと適正な管理方法を解説

コールセンター運営において、稼働率を適正値に維持することは重要な課題です。稼働率が適正値で維持できなければ、オペレーターが心身不調に陥ったり、余剰人員が多かったりします。

そこで本記事では「稼働率を適正値に維持する方法とチェックすべきポイント」を紹介します。安定した稼働率を維持するためのコツと分析するときに意識すべき事項が分かる内容になっているので、ぜひ最後までお読みください。

目次

コールセンターの稼働率とは?占有率・応答率との違いを解説

画像:コールセンターの稼働率とは?占有率・応答率との違いを解説

コールセンターにおいて稼働率とは、総勤務時間のうち顧客対応にどの程度かけているかを表した割合のことで、生産性を判断する指標です

稼働率は、人員配置の適正度をはかる占有率、電話のつながりやすさをはかる応答率と合わせて分析し、コールセンターが安定稼働しているかを判断します。

稼働率とは

稼働率とは、オペレーターが勤務する時間のうち、顧客対応した時間の割合を示す指標です。以下の計算式によって算出します。

稼働率(%)=(通話時間・保留時間・後処理時間・待機時間の合計)/勤務時間×100

顧客対応にかける時間は、通話時間・後処理時間・保留時間・電話待機時間が含まれます。勤務時間は、給与支払いが発生する時間のことで、昼休みなど無給休憩は含みません。

稼働率の分析結果は、業務量に対する人員体制や、オペレーターの勤務時間のうち顧客対応に当てられる時間の割合から判断します。個人別もしくはコールセンター全体における稼働率を算出・分析すると、それぞれの生産性が把握できます。併せて1日・週次・月次など一定の期間で算出・分析すると、コールセンター全体の状況把握に効果的です。

占有率との違い

占有率とは、オペレーターが稼働している時間の中で、実際に顧客対応した時間の割合です。以下の計算式を使って算出します。

占有率(%)=(通話時間・保留時間・後処理時間の合計)/(通話時間・保留時間・後処理時間・待機時間の合計)×100

適切な占有率の目安は76~87%が目安です。占有率が適切だと、正しく人員配置されていると判断できる状態となります

占有率が高い場合は品質低下やストレスフルな状態が続き、離職の可能性が高まります。一方で占有率が低い場合は、顧客対応していない時間が多いため、人員体制の見直しが必要です。

応答率との違い

応答率は、総着信数に対して実際に対応したコール数の割合です。以下の計算式を使って算出します。

応答率(%)=対応件数/着信件数×100

応答率は、電話のつながりやすさをあらわす指標です。応答率・稼働率・占有率を合わせて分析することで、コールセンターが安定稼働しているかの判断材料になります。

画像:応答率との違い

コールセンターの状況分析において、稼働率・占有率・応答率は密接な関係があります

コールセンターの稼働率でチェックするべきポイント

画像:コールセンターの稼働率でチェックするべきポイント

稼働率は、高すぎればよいものではありません。適正な稼働率は80~85%の範囲です。稼働率が85%より高い場合は常に電話に出ている状態のため、心身疲労から離職へとつながります。反対に低すぎると人員があまっている状況です。

稼働率が適正範囲でない場合は、以下のチェックポイントを元に結果分析しましょう。

  • 人員体制は適切か
  • 稼働率が極端に違うメンバーがいないか
  • コールセンター全体の品質が低下していないか

全体の品質低下は、定期モニタリングによるチェックも並行して行うことで、状態変化に気づきやすいです。また、極端に稼働率が違うメンバーがいる場合、面談などで状況確認し、こまめにフォローを入れましょう

稼働率の目安

稼働率は、ただ高ければ良いものではありません。主な目安は以下です。

  • 70%未満:人員体制の見直しライン
  • 80~85%:適正ライン
  • 85~90%:注意ライン
  • 90%以上:危険ライン

稼働率が高すぎると、オペレーターが常時電話対応している状態となり体力や精神力が消耗するため、生産性低下を招きます。稼働率の高さによる生産性低下が続くと、心身不調を引き起こし、離職へつながります。

稼働率が高く、応答率が低い場合は、電話がつながらない状況が続く可能性が高いため、顧客満足度が下がる一方です。稼働率が低すぎると、人員が余っている状況なため、人数を減らすなどシフトの組み直しが必要です。

稼働率のチェックポイント

稼働率を算出したら、次の観点からデータを分析しましょう。

  • コールセンター全体における稼働率から判断し、人員体制は適切か
  • メンバー全員のデータを比較し、1人だけ極端に稼働率が違わないか
  • コールセンター全体の稼働率が高すぎて品質低下を招いていないか

特に、品質低下については、定期モニタリングにより品質をチェックすれば、状況の変化に気づきやすいです。稼働率があがっても品質が低下している場合は、オペレーターの処理能力を超えている可能性があります。人員体制が適切であるか検証した上で、増員を検討しましょう。また、もし1人だけ極端に稼働率が違うメンバーがいたら、面談により状況確認の上でフォローする必要があります。

コールセンターの稼働率を適正に管理する方法4選

画像:コールセンターの稼働率を適正に管理する方法4選

稼働率を80~85%の範囲で維持するには「稼動状況の把握」「非生産時間の有効活用」がポイントです。具体的には、主に4つの管理方法があります。

  • 詳細なステータス管理
  • きめ細かい人員調整
  • オペレーターのケア
  • 非生産時間の有効活用

詳細にステータス管理してメンバーの稼動状況を把握した上で、1人だけ極端に稼働率が変わらないよう配慮することが重要です。また、オペレーターをこまめにケアし、稼働率をあげすぎない工夫を行い稼働率を80~85%の範囲に管理します。

詳細なステータス管理

稼働率を正確に把握するため、こまめなステータス管理が大切です。ステータスには以下のようなものがあります。

  • 通話中
  • 着信中
  • 後処理作業中
  • 離席中
  • 研修中
  • 休憩中

しかし、あまり細かすぎるとオペレーターのステータス入力作業が増えるため、長続きしない可能性があります。ステータスは、最大でも10個程度が良いでしょう

また、普段電話に出ないSVについても、ステータス管理は大切です。「どの業務をどのステータスとするか」のルールを決めて入力すると、より正確に稼働率が算出できます

きめ細かい人員調整

細かい人員調整とは、シフト時間を細かく区切ったり短時間勤務を入れたりすることです。生産性の高いメンバーがいても、1人だけ極端に稼働率が高い場合は注意しましょう。特定のメンバーに負担が集中すると、心身不調に陥ったり生産性が下がったりして長く勤務できなくなります。そのため、稼働率に偏りがでないよう人員調整が必要です。

稼働率を算出する際に、1時間・1日・1週間単位など、さまざまな期間で区切った結果を元に人員調整すると、より適切な配置ができます

オペレーターのケア

コールセンター全体に渡り稼働率を適正値に維持するため、オペレーターのケアは欠かせません。オペレーターのケアには、主に3点の事項があります。

  • オペレーター全員を常に観察すること
  • 日頃からこまめにコミュニケーションをとること
  • 変化に気づいたら1on1面談を実施すること

1人だけ極端に稼働率が違うメンバーや、コールセンター全体に渡って稼働率が80~85%の範囲より高い状態ならば、早急にケアが必要です。稼働率が高い状態で、オペレーターをケアしない状況が続けば、ストレスフルな状態のため、最終的に離職へとつながります。

適度に休憩を入れたり、メンバー同士のコミュニケーションを取ったりすることで稼働率を上げすぎない工夫をすることが大切です

非生産時間の有効活用

稼働率が高い状態が続くと、ストレスが蓄積されて離職へとつながります。そこで、稼働時間のバランスを見直し、非生産時間を有効活用しましょう。非生産時間に行えることは、以下のようなものがあります。

  • 研修
  • 面談
  • メンバー同士の交流
  • 周知事項の報告

周知事項の報告は朝礼などで簡易に済ませず、別途報告会の時間を設けて詳細に説明することがおすすめです。オペレーターのスキルアップにつながり、生産性が向上します。

安定稼働するコールセンターを作るなら「NTTネクシア」

画像:安定稼働するコールセンターを作るなら「NTTネクシア」

コールセンターにおいて、稼働率を80~85%の範囲で維持するためには、算出した分析結果を元に研修・オペレーターのケアなどが必要です。どの作業も継続して行わねばならず、一つひとつの作業もすぐに終わるものではありません。そこでおすすめなのが「コールセンターの外部委託」です。

「NTTネクシア」は、社内研修を終えた経験豊かなオペレーターが多数在籍しているため、稼働率を適切な範囲に維持できます。また「非生産時間」を有効活用できる研修の実施や、稼働率を算出し、分析結果を元にコンサルティングするなど、ピンポイントな業務の委託が可能です。

安定稼働しているコールセンターを長く運営したい場合は「NTTネクシア」への委託を検討してはいかがでしょうか

コンタクトセンター(コールセンター)

導入事例

まとめ

画像:まとめ

コールセンター運営において稼働率・占有率・応答率は、生産性を見る上で密接に関係しています。応答率と稼働率・占有率全てが高い状態は、オペレーターがフル稼働の状態です。一方、応答率が高く稼働率・占有率が低い場合は、余剰人員がいる状況のため、高い費用対効果が見込めません。いずれの状況においても、人員体制の見直しが必要です。

コールセンターの稼働率を80~85%の適正値に保つため、4つの方法があります

  • こまめなステータス管理
  • 細かい人員調整
  • オペレーターのケア
  • 非生産時間の有効活用

どの方法を行っても継続して対応しなければならない事項です。安定稼働のコールセンター運営をより早く作りたい場合は外部委託を検討し、稼働率を適正値に保ちましょう

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