【徹底解説】コールセンターがつながらない理由5選!改善すべき項目と方法を紹介
コールセンターは、顧客の問い合わせ対応から受注、さらに潜在顧客の開拓や市場調査まで、さまざまな業務に対応します。
コールセンターを運営していて「電話がつながらないクレームを多く受けるものの、原因が分からない」とお悩みの方が、いらっしゃるのではないでしょうか。
コールセンターの対応品質が悪ければ「商品・サービスが悪い」と判断されるリスクがあります。
そこで本記事では「コールセンターがつながらない理由・改善すべき項目と方法」について解説します。つながらないコールセンターを抱えてお悩みの人が、つながるコールセンターになる内容になっているので、ぜひ最後までお読みください。
目次
コールセンターがつながらないとクレームになる
顧客の多くは、コールセンターの対応まで含めて「商品」と認識します。コールセンターの対応品質が悪い場合、顧客は「商品も悪い」という印象を持つでしょう。もしコールセンターへの電話がつながらなければ、いくらオペレーターの対応自体に問題がなくても、コールセンター全体の品質・商品の品質が悪いと判断されます。
オペレーターが電話にでられず、自動応答音声が流れた場合にも「対応が悪い」との印象を持たれたり、自動応答音声や保留中にかかる電話料金を気にしたりする人もいます。さらには「振込や支払いなど緊急性・重要度の高い業務」は、コールセンターがつながらないことで対応が遅れ、損害が発生することもリスクです。
このように「コールセンターがつながらない」という問題は、重大なクレームにつながります。
コールセンターがつながらない理由5選
コールセンターがつながらない理由は、大きく分けて2つのケースがあります。「1回の対応に時間がかかる」ケースと「人員不足」です。
「1回の対応に時間がかかる」ケースには、以下の要因があります。
- 電話は1対1のコミュニケーション
- 多様な目的の電話が集まる
- オペレーターのスキル不足
「人員不足」には、以下の例があります。
- 電話が集中する時間帯がある
- オペレーターの人員不足
それぞれ詳しく見ていきましょう。
電話は1対1のコミュニケーションのため
コールセンター対応は、顧客とオペレーターの1対1のコミュニケーションです。そのため、オペレーター・顧客それぞれに確認事項があるときに待ち時間が発生します。待機時間が発生するのは、以下のようなケースです。
- オペレーターが対応履歴を確認するため、システムを操作するとき
- 顧客に顧客IDを確認してもらうとき
- 修理依頼の電話で顧客に故障状況を確認してもらうとき
また、電話口が遠い場合や難しい用語を使って説明するときは、コミュニケーションミスを引き起こして対応時間が長くなる可能性があります。
待ち時間が発生した分、次の応答が遅くなります。結果、1回の通話時間が長くなる事象が積み重なり、コールセンターがつながらなくなります。
多様な目的の電話が集まるため
問い合わせ・クレーム・受注など、多種多様な対応でオペレーターの切り替えを行うケースでは、1回の対応に時間がかかります。
また、コールセンターの対応範囲外の問い合わせがかかってくるケースがあります。その場合、担当部署へ引継ぎや別のコールセンターへのかけなおしを案内するなど、通常とは異なる対応が必要です。
1回の対応に時間がかかってしまうと、オペレーターが次の対応に入れず、コールセンターがつながらなくなってしまいます。
オペレーターのスキル不足
オペレーターのスキルが十分でない場合は余分な対応時間がかかり、1回の電話に時間がかかります。難易度の高い対応が増えれば、新人オペレーターでは対応できないため、生産性が落ちてしまうでしょう。
スキルが不足している新人では対応できない電話が増えると、ベテランオペレーターの対応可能数を超えてしまい、コールセンター自体がつながりにくくなります。
電話が集中する時間帯があるため
「1日の始まり」「お昼休み」「終了直前」などは、電話が集中するため、コールセンターにつながらないケースが多くあります。少し時間をおくことで解消する可能性はあるものの、急ぎの用事がある方にとっては大きな問題です。
特定の時間に電話が集まると、一時的に対応可能なオペレーター数を超えてしまうため、コールセンターがつながらなくなります。
オペレーターの人員不足
コスト削減や感染症防止策等でコールセンターの人員を制限して対応することがありますが、コールセンター全体の人数が減ると対応可能件数が減るため、オペレーターとつながりにくくなります。
また、コールセンター業界では「ストレスのたまる仕事」のイメージから、慢性的な人員不足が課題となっている企業では、コールセンターにつながりにくくなるケースがあります。
つながらないコールセンターが改善すべき項目
コールセンターがつながらない問題を改善するには、現状把握が重要です。コールセンターの課題が見えてくるとともに、改善策をとった後と比較ができます。
現状把握は、対応品質を数値化すると明確な課題が見えてきます。具体的に見るべき項目は以下です。
- 応答率・・・応答した件数(単純に応答した件数)を、総着信件数で割った割合。全体の何パーセントが応答できているかを見る。サービス品質を判断する目安になる。
- 総着信件数・・・時間帯別に算出すると、入電傾向・集中時間が判断できる。
- 放棄時間・・・オペレーターが対応する前に電話を切った時間。応答した時間は含めない。待てる最大時間数の目安になる。
- 一次対応完結率・・・オペレーター別に、1人で対応を完了できた割合を指す。オペレーターのスキル目安になり、AHT(1対応の平均処理時間)や応対件数で生産性も確認できる。
い合わせ内容をカテゴリーに分けると、目的外の問い合わせ件数が算出できます。数値化した項目を元に、つながらない原因を分析して対策しましょう。
つながらないコールセンターの改善方法5選
つながらないコールセンターを改善するためには、現状分析で必要な課題を把握してから行うと、改善効果が高いです。
具体的には、5つの改善方法があります。
- 人員体制の見直し
- オペレーターのスキルアップ
- 運用フローの見直し
- 電話以外の受付方法を導入
- ツールの見直し
特に、1回の対応時間がかかり、受付が遅れてしまう悩みを抱えるコールセンターでは「オペレーターのスキルアップ」「運用フローの見直し」「ツールの見直し」が効果的です。一方「人員不足」に悩みを持つコールセンターでは、全ての改善方法が有効です。
それぞれ詳しく見ていきましょう。
人員体制の見直し
コールセンターの人員不足は、業界全体の問題です。人員不足は「ストレスがたまるイメージ」「新型コロナウィルス感染防止策」など、さまざまな要因があります。
不足した人員を確保するために、採用活動が必要です。そこで、テレワーク導入・時短勤務など、勤務体制の見直しがおすすめです。勤務体制の見直しにより、応募者が増え、人員確保の可能性が広がります。
また、電話が集中する時間帯に備え、総着信件数を分析して「どの時間帯に」「何人必要か」を把握しましょう。各時間帯で必要な人員を把握することで、効率よくオペレーターを配置できるようになります。
オペレーターのスキルアップ
オペレーターのスキルアップは、対応時間短縮に効果的です。よくある問い合わせ内容や、対応に多くの時間を割く問い合わせについて、研修やOJTを行いましょう。
研修・OJTの内容は、一次対応完結率・カテゴリー別問い合わせ内容を分析した結果を元に、課題となる項目を抽出します。また、専門知識を問われることが多いコールセンターは、対応できるオペレーターを増やすための研修を行いましょう。全オペレーターのスキルアップをはかることで、1回の対応にかける時間削減を目指します。
一つひとつの対応時間削減への取り組みが、つながらないコールセンターの改善につながります。
運用フローの見直し
コールセンター全体の運用フローを見直すと、1人あたりの対応時間削減・問い合わせ件数削減効果があります。見直す項目は、カテゴリー別問い合わせ内容・オペレーター別の1次対応完結率などを参考にしましょう。
具体的には、以下のような例があります。
- 専門性のあるオペレーターを配置する・・・オペレーターの習熟度が高まれば対応時間が減らせる。
- 公式サイトの内容を見直す・・・よくある問い合わせ・目的外の問い合わせ件数削減に効果的。
- トークスクリプトの見直し・・・丁寧すぎる対応を簡潔にし、1回の対応時間を減らせば1カ月単位では大きな削減効果になる。
特に、公式サイトやよくある問い合わせの内容を見直すと、サイト検索から問い合わせをする人に大きな効果があります。
トークスクリプトの作成のポイントや活用方法は以下の資料にて解説しておりますので、参考にしてみてください。
電話以外の受付方法を導入する
スマートフォンの普及により、ホームページやチャットなど、問い合わせツールが急速に発展しています。そこで、電話以外の受付方法を導入し、オペレーターが対応する時間を削減しましょう。
主な受付方法は以下の4つです。
- 問い合わせフォーム
- メール
- チャット
- SNS
また、受付方法を自動応答システムのみとし、コールバックすることで対応放棄件数を減らした例もあります。
新たな受付方法を導入すると、心配されるのが「オペレーターの混乱」です。しかし、AIによる自動認識機能・FAQツールとチャットボットの連携による自動対応などで対応できます。問い合わせチャネルを増やしても、オペレーターが新たに習得する項目を最小限に抑え、混乱を減らす工夫が可能です。
そのため、電話以外の受付方法を導入して着信数を減らした方が、長い目で見れば費用対効果が高いです。
チャットやFAQツールについては、以下のコラムにて詳しく解説しておりますので、参考にしてみてください。
ツールの見直し
オペレーターの対応時間を減らす工夫の1つとして、FAQツールの検索性能向上があります。検索性能があがると、オペレーターの知識が十分でなくても、過去の対応履歴を見て解答が可能です。そのため、オペレーターの研修時間削減、早期即戦力化、対応の迅速化など、さまざまな効果が期待できます。
また、受注業務を行うコールセンターでは、FAQツール・受注情報と顧客管理システムの連携など、ツールと連携方法を見直すことで、対応時間が減らせます。
つながらないコールセンターの問題を解消するなら「NTTネクシア」
コールセンターがつながらない理由が分析できても、改善策を実施することは容易ではありません。特に、人員体制に関する課題は業界全体が抱える問題のため、劇的な改善は難しいでしょう。そこで、おすすめするのが「コールセンターの外部委託」です。
NTTネクシアでは、長年培ってきた経験やノウハウをいかしたコンタクトセンター運営やテレワーク環境の整備も可能なため、コールセンターがつながらない要因を解消できます。
また、コールセンターに関して自社独自のノウハウがある場合は、運用フローのコンサルティング・ツールの構築・研修など、必要な項目のみを委託することが可能です。つながらないコールセンターを解決するためにNTTネクシアへの委託を検討してみてはいかがでしょうか。
まとめ
コールセンターがつながらない主な理由は、以下の5つです。
- 1対1のコミュニケーションとなる
- 多様な目的の電話が集まる
- オペレーターのスキル不足
- 集中時間帯がある
- 人員不足
電話がつながらない問題を改善するためには「応答率」「総着信件数」などの項目を分析し、具体的な課題を見つけましょう。
つながらないコールセンターの改善には「人員体制・運用フローの見直し」「ツール導入」を軸に行うと効果が高いです。さらに、より早く確実に改善したい場合は外部委託を検討して、つながるコールセンターを目指しましょう。
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