BPOとアウトソーシングの3つの違い!導入メリット3選と受託事業者選定のポイントを解説
業務効率化や生産性向上を図る手段として「BPO」が注目されています。BPOは、自社にノウハウのない業務や非コア業務を外部に委託する手法です。BPOを検討する際、似た意味を持つ「アウトソーシング」との違いに疑問を持つ方もいるのではないでしょうか。
そこで今回の記事は、BPOとアウトソーシングの違いやBPOを活用するメリット等を解説します。BPO受託事業者を選定するポイントも分かる内容となっていますので、導入を検討中の企業さまはぜひ参考にしてみてください。
目次
BPOとアウトソーシングの3つの違い
アウトソーシングが業務の一部を委託するのに対して、BPOは一連のプロセスを一括して外部企業に任せます。アウトソーシングとBPOが異なる点は、主に以下の3つです。
- 目的
- 業務範囲
- 期間
外部委託を検討する際は、BPOとアウトソーシングの違いをよく理解し導入することが大切です。
目的
業務の一部を切り出して外部委託するアウトソーシングは、主に「人材不足の解消」を目的としている場合が多いです。一方でBPOは、専門性の高い外部企業に委託することで、業務プロセスの構築や自社の課題解決を目的としています。そのためBPOであれば人材不足の解消だけでなく業務の効率化や品質向上など、企業が抱えるさまざまな課題解決が期待できます。
また業務遂行の責任は受託事業者が負い、業務管理や労務管理などマネジメントも一括して行ってくれるのが特徴です。BPOは業務を代わりに行うだけではなく、事業運営において成果をもたらすことを目的とします。業務プロセスの効率化や改善を求めている場合は、業務設計から運用までを一括して請け負ってくれるBPOが有効です。
業務範囲
BPOとアウトソーシングでは、委託する業務範囲に違いがあります。アウトソーシングは、経理や総務など利益に直結しない非コア業務の一部を外部に委託するのが一般的です。例えば、アウトソーシングを行う業務内容は、データ入力や名簿作成などの単純作業がメインになります。
一方でBPOは企画・設計から分析といった業務プロセスを一括して任せるもののため、対象となる業務範囲が広いのが特徴です。なかには、総務部や人事部などの部門ごと委託するケースもあります。
また、BPOは経理や総務などバックオフィスだけにとどまらず、利益に関わる営業やマーケティングなどフロントオフィスも含めた一連の業務を一括して外部に委託するケースも増えています。
期間
アウトソーシングは、業務を部分的に切り出して外部企業に委託するため、短期間での活用が多いのが特徴です。例えばキャンペーン開催期間中だけ電話応対スタッフを増員させ、商品注文の受付や問い合わせ対応を行うなど、一時的に外部の専門会社を利用します。アウトソーシングは一時的に人員を増やしたい場合に導入される傾向があり、採用や社員教育の手間を省いて人的リソースを確保できるのがメリットです。
一方でBPOは一連の業務プロセスを一括して委託し、業務における課題解決やプロセスの改善などを目的とするため、アウトソーシングより期間が長くなる傾向にあります。主に一時的な人材不足を解消するために活用されるアウトソーシングに対し、企業の戦略的パートナーとして継続的に導入されるのがBPOの特徴です。
BPOを導入するメリット3選
BPO導入を検討する際は、自社にとってどのようなメリットを得られるか理解しておくことが大切です。主なメリットは、以下のようなものがあります。
- コア業務に集中できる
- 環境変化への対応
- 顧客満足度(CS)の向上
この章では各メリットについて詳しく解説しますので、自社の課題と照らし合わせてBPO導入を検討しましょう。
コア業務に集中できる
BPOを活用することで社員の時間を空けられるので、自社で最も重視している事業に注力できます。ニーズの多様化や社会の変化を受け、経営の多角化を行う企業が増えています。既存の商品に依存せず複数の事業を組み合わせる多角的経営は、シナジー効果を得られやすいことや社会ニーズへの柔軟な対応が可能です。
しかし多角的経営はコア業務を多く抱えるため、人材や設備投資などによるコスト増加や業務の非効率さを招く可能性があります。経営資源は限られているため、すべてのコア業務に集中できるわけではありません。
また企業には収益に直結するコア業務だけでなく、利益に直接関わらない非コア業務があります。そこで限られた経営資源を最大化するために、BPOの活用が有効です。BPOを導入し非コア業務に充てていたリソースをコア業務に集中させることで、企業収益や競争優位性の確立につなげられます。
環境変化への対応
BPO受託事業者は専門的な知識と豊富な経験を持つ人材が揃っているので、新規採用や社員教育をせずに高品質な業務遂行を実現できます。また業務に特化した設備やシステムが揃っているので、自社資産を持たずに必要な資源を活用できます。
さらに業務に関する専門的な知識や設備体制を整えているBPO受託事業者であれば、顧客のニーズの多様化や法改正などビジネスを取り巻く環境の変化へも柔軟な対応が可能です。自社のみで課題解決を図るより、BPOを活用した方が的確でスピーディな対応ができる場合があります。
顧客満足度(CS)の向上
専門性の高いBPO受託事業者であれば、高度な知識とスキルを持った人材が揃っています。委託したい業務のプロが対応するので、高品質なサービス提供や顧客の要望に沿った対応が可能です。特に顧客からの問い合わせやクレーム対応を行うコールセンターにおいては、オペレーターの応対品質は企業全体の顧客満足度(CS)に影響します。コールセンター業務をBPOすることで、丁寧な言葉使いや迅速な問題解決など高品質な電話応対が期待できます。
NTTネクシアでは、豊富な経験とスキルを持ったオペレーターが電話応対を行います。また電話応対業務だけでなく、データ入力や事務処理などバックヤード業務の委託も可能です。これまでに培った実績を活かし、企業さまの課題解決につながるソリューションを提供します。コールセンターの委託やBPOをご検討中の企業さまは、お気軽に「NTTネクシア」へご相談ください。
BPOを導入する際の注意点
BPOは業務効率化や顧客満足度(CS)の向上につながるなどさまざまなメリットを得られますが、導入する際は注意すべき点があります。この章では2つの注意点について解説しますので、BPO導入時の参考にご活用ください。
外部委託するための準備が必要
BPOを活用するためには、外部委託する業務の現状確認や引き継ぎに必要なマニュアル作成など導入に向けた準備が必要です。外部委託する目的や解決したい課題が明確になっていないと、効果的なBPO導入につながりにくいので注意しましょう。これまでの業務フローを洗い出し、問題点や改善すべき点を明確にしてBPO受託事業者に依頼することが大切です。
社内にナレッジが蓄積されにくい場合がある
BPOは受託事業者に業務を一括して委託するため、ノウハウやスキルなどナレッジが社内に蓄積されにくい場合があります。特にBPOを行った業務を自社に戻す予定の場合、ナレッジが蓄積されていないと円滑に移行できません。
また事業運営は各部署の業務が組み合わさって成り立っているため、一部のナレッジ不足が企業全体に影響する可能性があります。ただし、受託事業者とこまめな情報交換を行うことやナレッジを受託事業者から共有してもらうことで、このような問題を回避することが可能です。
BPO受託事業者を選ぶ際のポイント5選
BPOを成功させるためには、自社の課題解決に適したサービスを提供してくれる受託事業者を選ぶことが大切です。BPO受託事業者を選定する際は、以下のポイントを押さえておきましょう。
- 業務内容
- 導入までのスピード
- 費用
- 実績
- セキュリティ対策
各ポイントを詳しく解説しますので、BPO受託事業者選定の参考にしてください。
業務内容
BPOを行う際は、委託したい内容と受託事業者の得意分野が一致しているかを見極めましょう。同じ業務内容を対象としているBPO受託事業者であっても、得意分野が異なる場合があるため、選定を誤ると期待した成果を得られない可能性があります。適切に見極めるためには、自社が委託したい業務内容と範囲を明確にすることと、現時点での課題を正確に把握しておくことが大切です。
導入までのスピード
受託事業者の規模や体制の違いによって、BPO導入に要する期間・スピードに差が生じます。業務の滞りや迅速に解決すべき課題がある場合は、スピーディなBPO導入が可能な受託事業者を選ぶことが大切です。
委託したい業務内容の擦り合わせを行う際に、導入に要する期間を具体的に提示してもらうと安心です。納期を厳守してもらえるかも含めて、導入にかかる期間や委託後の業務処理スピードなどをチェックしておきましょう。
費用
BPOを活用するには、外部に業務を任せるためのコストが発生します。自社で行う場合の人件費や設備投資にかかるコストと比較し、委託費用が適切であるかを判断する必要があります。
しかし費用の安さを重視してしまうと、追加費用の発生や期待する成果が得られないなどBPOの失敗につながる可能性があるため注意しましょう。適切な費用であるかを判断するためには、委託したい業務内容が漏れなく盛り込まれているかなど、見積もりの段階で詳細を確認しておくと安心です。
実績
豊富な実績を持つ受託事業者であれば、これまでの経験をもとに高品質で円滑な業務遂行が期待できます。実績のある受託事業者は、さまざまな企業の問題と向き合って解決した経験とノウハウをもっています。
自社の課題解決に向けた的確な提案と細部まで行き届いた適切なサポートにより、コア業務への集中や業務効率化など多くのメリットを得られるでしょう。BPO受託事業者を選ぶ際は、自社が委託したい業務内容の実績に長けた企業を選ぶことが大切です。
セキュリティ対策
BPOを行う業務内容によっては、顧客データや商品に関する情報など機密事項を外部に提供しなければなりません。自社で管理する場合と比較してセキュリティが脆弱になりやすいため、情報漏えいなどのリスクが高まるので注意が必要です。業務を行うスタッフの教育や意識も含めて、受託事業者のセキュリティ対策を十分確認しておきましょう。とくに確認しておきたいのが、セキュリティに関する以下の認証を取得しているかです。
- プライバシーマーク:個人情報の取り扱いが発生する業務の受託事業者先として適している
- ISMS:機密情報や技術情報のやり取りが発生する業務の受託事業者先として適している
セキュリティ対策の1つとして、ISMSやプライバシーマークの認証取得状況をチェックしておくと安心です。
まとめ
アウトソーシングは、人材不足の解消を目的として業務の一部を切り出して外部企業に委託する手法です。一方でBPOは業務プロセスを一括して外部に委託して、人材不足だけでなく業務の非効率さなど企業のさまざまな課題解決をめざしているのが特徴です。BPOを行うことで業務効率化やコア業務への集中など、企業収益の向上につながる成果が期待できます。
NTTネクシアではコールセンターや付随する業務のBPOソリューションを提供しています。これまでのコールセンター業務で培った経験とスキルを活かし、企業さまの抱える課題解決に合ったソリューションの提供が可能です。事務処理やデータ入力・加工などバックオフィス業務にも対応できるので、コールセンターのBPOを検討中の方はお気軽に「NTTネクシア」にご相談ください。
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