VOCとは企業の改善に役立つ「お客さまの声」5つの収集方法と活用へのポイントを紹介
市場変化の激しい現代のマーケティングでは、顧客のニーズ把握に有効な「VOC」活用が注目されています。VOCの効果を発揮するためには、十分な量の情報収集と適切な分析が必要です。分析には時間と手間がかかるため、VOC活用に踏み切れない企業が多い実情があります。
そこで今回の記事では、VOC活用のメリットや収集法、さらには効果的に活用する方法について紹介します。商品・サービスの品質向上でお悩みの方は、ぜひ最後までお読みください。
目次
VOCとは顧客や市場のニーズが分かる「お客さまの声」
VOCとは、企業に対して顧客から寄せられるすべてのフィードバックを指します。商品やサービスはもちろん、CMや接客などのマーケティングに関する内容や企業全体のイメージなどです。VOCにはコールセンターに集まる質問や要望など直接企業に届いた声だけでなく、SNS・ブログなど個人的に発信されるレビューも含まれています。以前は問い合わせやアンケートなどがメインでしたが、インターネットが普及したことにより、あらゆる場所でVOCを集められるようになりました。
しかし、近年はECサイトの流行で顧客とコミュニケーションを取る機会が減っていることから、コールセンターに入る「生の声」の価値が高まっています。実際、商品やサービスに不満を持っていても、企業に伝える方は少ないでしょう。コールセンターは顧客からの貴重な意見である「不満」を聞くことができ、改善する機会をもらえます。集めたVOCを分析し、商品開発やサービス改善に繋がるヒントを見つけ、各部門で活かせるかが重要なポイントです。
VOCを活用するメリット
VOCを活用することで、顧客のニーズや市場の変化を捉えやすくなります。VOCは収集することが目的なのではなく、集めた情報をマーケティングや課題解決に活かすことが重要です。VOCを活用することで、どのようなメリットが得られるのか詳しく見ていきましょう。
商品やサービスの品質向上
どんなにクオリティの高い商品が完成したとしても、顧客のニーズに合わないものは必要とされません。お客さまの声を拾い上げ顧客視点に立つことで、本当に求めている商品やサービスの提供が可能です。また、商品やサービスに改善が必要と感じていながらも、何をすれば良いのか分からないケースもあるでしょう。
そこで、VOCを分析し顧客の真のニーズを知ることで、最適な改善策を打つことができます。また、特定のターゲットに絞ったVOC分析を行えば、より効果的な改善ができるでしょう。VOCの活用は、商品やサービスの品質向上に繋がり、結果として売上への貢献も期待できます。
顧客満足度の向上
企業戦略を考える際、新規顧客獲得を意識することはもちろんですが、既存顧客のリピート率を上げることも重要です。「持続的な取引」が重要と考える根拠として「LTV(Life Time Value:顧客生涯価値)」という指標があります。LTVとは、顧客が生涯をかけて企業にもたらす価値で、収益アップに欠かせない要素の1つです。
特に、市場競争が激化し新規顧客獲得が難しい現代においては、LTVを最大化させる施策が重要視されています。そこで、LTVの向上に有効な手段として注目されているのがVOCです。VOCを反映させた商品やサービスは、顧客のニーズを満たせるので満足度が高くなります。定期的なVOC分析を行い商品開発やサービス改善に活かすことで、既存顧客との信頼を強め安定的な収益が見込めるでしょう。
VOCの収集方法5選
VOCの収集方法は、以下のようなものがあります。
- チャットやメール
- 電話
- アンケート
- SNS
- インタビュー
ここでは、5つの収集方法について特徴なども含めて紹介しますので、自社に最適な手段を見つける参考にしてください。
チャットやメール
企業の公式サイトやWebサービスなどに、チャットや問い合わせフォームを設定してVOCを集める方法です。24時間365日いつでも利用できるので、多くのVOCを集められます。近年、インターネットを利用する方が増えたこともあり、多くの企業で活用されている問い合わせ方法の1つです。
また、チャットやメールであればすでにテキスト化されているので、オペレーターなどが入力する負担が軽減できます。しかし、質問や要望について深堀りしにくいので、深い情報を得られにくいのがデメリットです。
電話
商品・サービスに関する相談窓口やコールセンターなど、電話による問い合わせ対応でVOCを集める方法です。電話をかけてくる顧客の多くは、商品やサービスに対する明確な意見を持っていることが多いです。そのため、顧客の本音を聞きやすく質の高いVOC収集ができます。
また、顧客からの意見に対してその場で質問ができるので、より正確な情報を得られるでしょう。ただし、受付時間が限られていることや電話のつながりにくさにより、取りこぼすVOCが発生するのがデメリットです。
アンケート
以前から使われているVOC収集方法で、商品購入後やサービス利用後に紙・Webアンケートを実施します。目的や対象者に合わせて質問を設定できるので、さまざまな用途と顧客接点で活用できるのが特徴です。
また、商品やサービスに関することだけでなく、ライフスタイルや購買行動の根拠などを知ることができます。ただし、質問が多い場合や回答形式によっては面倒と感じる顧客もいるため注意が必要です。
SNS
InstagramやTwitterなどSNSに投稿されている情報を検索することで、自社の評価を客観的に知ることができます。率直な感想を投稿している方も多く、顧客の本音を集めやすいのが特徴です。デジタル化が進む現代では、SNSを参考にする方も多いためVOCを集める有効な手段と言えるでしょう。
日々更新される投稿を集めつづける必要がありますが、リアルタイムの市場を把握するには最適な方法です。ただし、作為的に真実と異なる意見をあげている投稿もあるため、注意して見極める必要があります。
インタビュー
インタビューは、商品購入者やサービス利用者に直接話を聞きVOCを集める方法です。目的に合わせてさまざまな角度から質問できるため、濃い情報を集められます。
複数の対象者を集めて行うグループインタビューと、1対1で行うデプスインタビューがあり、目的に合わせて使い分けます。精度と密度の高い情報を得られる手段ですが、時間と手間がかかるため集められる量に限りがあります。
VOCを効果的に活用する3つのポイント
VOCは集めて終わりではなく、活用するからこそ意味があります。VOCを効果的に活用するための3つのポイントを紹介します。
- 目的の明確化
- 十分な量の情報収集
- 管理体制の整備
効果的に活用するポイントを知り、自社でVOC活動を行う際の参考にしてください。
目的の明確化
ただVOCを集めただけでは、効果的に活用できません。また、対象者に合っていない方法では、十分な量のVOCを集めるのに時間がかかります。市場の変化は激しいため、収集と分析に時間がかかってしまっては顧客のニーズを逃してしまいます。なので、まずは必要なVOCを明確にし、質問内容や収集方法などを的確に定めることが大切です。
また、目的が定まっていないVOC収集は、的外れになる危険性があります。「実現したいこと」がわかれば、具体的な質問内容をイメージしやすく、VOCを集める最適な方法を選べます。
十分な量の情報収集
VOCを企業戦略に活用するためには、十分な量の情報を集める必要があります。十分な量のVOCを集めるためには複数のチャネルを用意することと、適切なタイミングを見極めることが大切です。特に、Webアンケートを実施する際は送信するタイミングが非常に重要です。一般的に、アンケートに回答しやすいタイミングは「商品の使い始め」と言われています。
ECサイトなどを利用して商品が届くタイミングで、アンケート依頼のメールが来たことはないでしょうか。届いた直後は商品への関心が高いので、アンケート回答率も上がりVOCを集めやすくなります。
ただし、顧客が利用しやすいチャネルでないと回答率が下がるため、回答方法を複数用意し顧客が選択できるようにしておくのがおすすめです。自社に最適な収集方法を検討し、内容やタイミングなど詳細まで決めておくと良いでしょう。
管理体制の整備
VOCを収集しても、適切に管理できなければ有効に活用できません。集めた情報の分析・管理を適切に行える環境を構築し、次のアクションに繋げることが大切です。収集・分析には時間も人手も必要になるため、VOC分析ツールなど専用のシステムを活用しましょう。
VOCの収集・分析にかかるリソースを減らすことで、ほかの業務に集中できます。また、企業全体でVOC活用の目的を共有し、AIが搭載されたコールセンターシステムなどで部署間の情報共有を強化することで、VOCを効果的に活用できます。
「お客さまの声」が集まるコールセンターをVOC分析サービスで最適
コールセンターは、顧客と直接コミュニケーションを取れる貴重な部署です。電話やメールなどで「お客さまの声」が集まるメインの場所であるコールセンターにVOC分析サービスを導入することで、商品開発やマーケティングへの活用がスムーズに行えます。
業務効率化や顧客満足度向上の観点からも、コールセンターにおけるチャネルの多様化が注目されており、より多くの問い合わせ対応が可能な環境に変化しつつあります。
さまざまなチャネルを活用して集めた顧客の声をVOC分析サービスで可視化することで、顧客のニーズを満たす商品開発やサービス改善に繋がり、その結果として売上拡大が期待できるでしょう。顧客情報や問い合わせ内容からは見えてこない情報も、VOC分析サービスを活用することで多くのデータを得られます。
VOCを活用したマーケティングを検討中の方は「NTTネクシア」のVOC(お客さまの声)分析サービスを試してみてはいかがでしょうか。お試し分析サービスをご用意していますので、お気軽にご相談ください。
まとめ
VOCとは「お客さまの声」です。企業に対する顧客からのフィードバックすべてを指しており、商品開発・サービス改善や顧客満足度の向上に貢献します。顧客の声を効率よく収集・分析するためには、コールセンターへの「VOC分析サービス」導入が有効です。
日々お客さまの声が集まるコールセンターにVOC分析サービスを導入することで、オペレーターが入力した情報だけでは見えてこない「顧客のニーズ」を見つけ出せます。
「NTTネクシア」では導入しやすい価格の簡易なものから、マーケティングにすぐ活かせる高度な分析まで、企業ニーズを満たす幅広いメニューをご用意しています。VOCを活用したマーケティングをお考えの方は、お気軽に「NTTネクシア」へご相談ください
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