DXの目的とは企業の競争優位性を確立すること!メリット4選と推進への5ステップを紹介
近年、さまざまな分野でDXの推進が求められています。今やDXは、多くの企業において必要不可欠な取り組みと言えます。しかし、現在ある仕組みを変えるのは簡単なことではありません。「何から手を付けて良いか分からない」という企業も多いのではないでしょうか。
そこで今回の記事では、DX化を進める手順やメリットについて解説します。自社の課題解決や今後のステップアップに活かせる内容となっていますので、DXでお困りの方はぜひ最後までお読みください。
目次
DX(デジタルトランスフォーメーション)とは?IT・デジタル化との違いも解説
DXの定義や意味を正しく理解しないまま取り組むと、思うような結果が得られない要因となります。そのような事態にならないよう、まずはDXとは何かを正しく理解しましょう。この章では、他の用語との違いについても解説します。
DXの定義
DXは「デジタルトランスフォーメーション」の略で、日本語直訳は「デジタル変革」です。本来DXとはビジネス領域に限定した言葉ではなく、社会全体にデジタル技術を浸透させて人々の生活をより良いものへ変革していくという概念を持っています。また、単にデジタル技術を活用するのではなく、従来の価値観や枠組みにとらわれない革新的な製品やサービスを生み出すことが目的です。
IT化との違い
ITとは「インフォメーション・テクノロジー」の略称で、インターネットやコンピューターなどのネットワークを駆使した情報技術を指します。情報の「入手・保存・伝達」を行う技術がITであり、情報処理やセキュリティに関することなども含まれます。主なIT活用例は、以下のとおりです。
- スマートフォン
- 交通ICカード
- 遠隔診療
- 自動運転システム
- スマート農業
このほかにもさまざまな分野でITが活用されており、人々の生活に多大な影響を与えています。DXはIT技術を利用してサービスや仕組みを浸透させ、人々の暮らしをより便利にしていくことを指します。
デジタル化との違い
デジタル化の目的は、ITシステムやツールを活用し業務負担の軽減や効率性・生産性を向上することです。紙の使用量を削減する「ペーパーレス化」や、会議をオンライン上で実施する「Web会議」などがデジタル化に該当します。デジタル化もITと同様に、DXの手段という位置づけであることを理解しておきましょう。
企業がDXに取り組むべき4つの理由とは
DXとは単なるIT化やデジタル化ではなく、現状のレガシーシステムからの脱却やこれまでの企業風土に変革をもたらすことです。DXを推進するうえで、なぜ今企業変革が求められているのかを正しく理解しておきましょう。
ビジネスにおける競争優位の獲得
DXは、ビジネスにおいて競争優位性を獲得するための重要な取り組みです。同じような商品が溢れる現代社会では、モノの価値だけでの差別化が困難です。そのため、商品以外の部分で独自の強みや良さをアピールする必要があります。
自動化・一括処理などによる生産性の向上や、データ分析をもとにした最適なサービスの提供など、自社の特異性をデジタル技術でさらに磨き込むことが可能です。自社の価値をデジタル技術で強化していくことで、競合優位性の構築が期待できるでしょう。
レガシーシステムからの脱却
レガシーシステムとは、古い技術や仕組みをもとに構築された基幹システムを指します。時代遅れのシステムとも呼ばれており、DX推進の足かせとなるとして問題視されています。レガシーシステムの問題点は、以下のとおりです。
- 技術の老朽化
- システムの肥大化・複雑化
- ブラックボックス化
レガシーシステムの問題は単に古いというだけなく、新しい技術の導入を阻害し維持費がかかることです。また、システム障害の発生やビジネスの機会損失などの要因となるため、DXを推進しレガシーシステムからの脱却を図ることが重要です。
BCP(Business Continuity Plan)の策定
BCP(事業継続計画)とは、災害やテロなどさまざまな不測の事態が発生しても、事業の継続や早期復旧を可能とするための計画です。DXは、自然災害や感染症によりビジネス機会の損失を抑えるための手段としても注目されています。事業の中断は、企業存続が危ぶまれ非常に大きなリスクとなるため、DX推進の目的や得られるメリットはBCPの強化に繋がると考えられています。
消費者ニーズの変化
インターネットの普及によりさまざまな情報があふれ、消費者がより複雑なニーズを持つことで行動が多様化しています。企業側が発信する商品情報やサービス案内より、SNSや口コミを参考にする人が増加しているのが現代の特徴です。また、感染症拡大をきっかけに実店舗での購入より、ECサイト利用のニーズが高まっています。消費者のニーズに沿った店舗運営を行うためにも、DXの推進は欠かせない要素です。
DXが企業にもたらす4つのメリットとは
DXを推進することで得られるメリットは、企業が抱える問題解決や収益アップに繋がります。DXの主なメリットは、以下の4つです。
- 市場の変化に適応しやすい
- 生産性の向上と業務効率化
- 新たな商品・サービスの開発に繋がる
- 人材不足の解消
それぞれのメリットが、企業にとってどのような影響を与えるか具体的に見ていきましょう。
市場の変化に適応しやすい
消費者の購買行動やニーズの変化に対応できないと、円滑な企業活動に悪影響を及ぼします。消費者の購買意欲や消費行動の変化を敏感に読み取り、ニーズに合わせた企業戦略が重要です。DXを推進し顧客の行動を把握することで、最適な商品やサービスの提供が可能です。また、ITツールの活用により多様な働き方に対応することも、労働人口の減少が進む現代社会において重要なポイントと言えます。
生産性の向上と業務効率化
DXを進めることで、作業時間の短縮や従業員の負担軽減に繋がります。DXによる生産性向上の主な取り組みは、以下のとおりです。
- クラウドサービスの利用
- CRM(顧客管理システム)の活用
- 電子契約の導入
- ECサイトの解説
DXにより業務プロセスを見直し生産性を高めることで、企業全体の業務効率化が期待できます。また、AIを活用し正確なデータに基づく企業戦略の立案が可能です。さらに、人材不足の解消やミスの防止などと同時にコスト削減の効果が期待できます。
新たな商品・サービスの開発に繋がる
商品・サービスの開発や改善は、顧客の声の収集と分析が欠かせません。しかし、人の手ですべてを行うには膨大な時間と手間がかかります。そこで、デジタル技術を活用したリサーチやデータ分析などにより顧客の行動パターンを把握し、新しいマーケティング戦略に役立てることが可能です。
人材不足の解消
年々、労働人口の減少により多くの職種で人材不足が問題となっています。これまで人の手で行ってきた業務をデジタル化することで、仕事量が減るため少ない人員でも成り立たせることが可能です。また、DXにより従業員が働きやすい環境を構築することは、採用活動に有利な要素となるでしょう。
特に、慢性的な人材不足が問題視されているコールセンターでは、DXの推進が有効であると考えられています。「NTTネクシア」では、あらゆるデジタルツールを活用しコールセンターのDX化を実現します。問い合わせ業務に課題を感じている方は、コールセンターのDX化を検討してみてはいかがでしょうか。
DXを推進する5ステップとは
より良い成果を上げるためには、重要なポイントを押さえ確実にステップを踏んでDXを進めることが大切です。
- 戦略策定
- 体制の構築
- 現状分析とツールの選定
- デジタル化の推進
- 継続的なPDCA
ここでは5つのステップに分けて解説しますので、各段階で重要なポイントをしっかり押さえておきましょう。
戦略策定
まずは経営層の同意を得たうえで、企業戦略を策定します。なぜDXを行うのかを深く考えて、目指すべき企業イメージを具体的にすることが大切です。DXは個人的に行うものではなく企業全体で取り組むべきものなので、必ず経営層の賛同を得て効率良く進められる環境を作りましょう。また、取り組む目的を明確にして、一貫性のあるDXを行うことが重要なポイントです。
体制の構築
体制構築はDX成功に欠かせない要素の1つとなります。体制構築を行ううえで大切なポイントは、以下のとおりです。
- 企業変革に対して、積極的に挑戦する姿勢を共通認識とする
- DXの具現化を推進・サポートできるチーム編成とする
- デジタル技術やITツールに精通している人材の確保
DX推進では、迅速な判断を要する場面が多くあります。そのため、経営層に近い部門で実行されるのが望ましいと考えられます。人材確保については、専門的な知識とスキルを持つ外部人材への外注を検討するのも1つの方法です。
現状分析とツールの選定
今ある自社のデジタル技術や、ITツールの現状を正確に把握しておきましょう。目指す企業イメージに到達するために必要なシステムや、既存のものとの連携などを含めて最適なツールを選定することが大切です。また、コストや技術の面で不要となるシステムを洗い出し廃棄する判断も必要です。現状を正しく把握し、ビジネス価値の創出や顧客のニーズに沿わないものは徹底的な見直しを行いましょう。
デジタル化の推進
ツールの選定が完了したら、自社のビジネスモデルにデジタル技術やITツールを取り入れ、業務の移行を実施します。すべてのシステムを新しくするのも1つの方法ですが、既存のものを活かして構築することも可能です。急な変更は現場の混乱を招くため、ペーパーレス化など小さな変革から始めるのが良いでしょう。また、業務の移行を実施する際は、従業員への周知や教育を並行して行う必要があります。
継続的なPDCA
DX推進は1度で終わりではなく、継続的に改善を繰り返していく必要があります。DXに取り組んだ結果を分析し、社会や消費者のニーズに沿った施策へと改善し続けることが大切です。継続的にPDCAサイクルを回すことで、時代の流れや消費行動の変化に対応できる企業経営を実現できます。
DXとは時代の変化に適応するための重要な取り組み
同じような商品・サービスが乱立する中で安定した収益を上げるためには、競合他社にはない価値を見出す必要があります。消費者のニーズや社会の変化への適応力、労働人口減少による人材不足解消など、DX推進によって得られるメリットの多くは企業運営において重要なポイントです。
特に、人材不足や業務効率の低下で悩むコールセンター業務におけるDX推進は、必須の取り組みと言えるでしょう。「NTTネクシア」では、人材不足など企業の課題を解決するだけでなく、収益アップに繋がるデータ収集や分析が行えます。コールセンター業務に関するお悩みがある場合は、お気軽に「NTTネクシア」へご相談ください。
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