【必見】カスタマーサポートで重視すべきKPI7選!設定時の注意点を4つ紹介
カスタマーサポートにおいて、KPIはモチベーション管理・目標達成への中間ポイントとして重要です。「KPIと聞くが、何を設定したらよいの?」とお悩みの方が、いらっしゃるのではないでしょうか。
無理なKPIを設定すると実現できずにオペレーターのモチベーションが下がり、顧客満足度も低下します。そこで本記事では「KPIの注意点と主な設定指標」について解説します。KPI設定がスムーズにできるようになる内容になっているので、ぜひ最後までお読みください。
目次
カスタマーサポートのKPIとは
KPIは「重要業績評価指標」のことで、英語の「Key Performance Indicator」の頭文字をとったもので、最終目標達成に向けた中間指標のことです。カスタマーサポートでは、設定した最終目標「KGI(Key Goal Indicator/重要達成目標指標)」を確実に達成するためにKPIを設定して、最終目標がどの程度達成されているかを把握します。
KPIは、後に達成度合いを振り返り、カスタマーサポートのサービスレベルを把握するため、具体的な数値で設定しなければなりません。定量的な基準を設けることで、オペレーター全員が共通認識を持ち、それぞれの役割を意識しながら動けます。適切なKPIを設定することは、品質向上につながります。
KPI設定時の4つの注意点
KPIを設定する上で、以下4点の注意事項があります。
- KGIを基準にする
- 数字で達成状況を評価できるようにする
- 達成可能な目標を設定する
- カスタマーサクセスとは分ける
KPIは、KGI達成のための中間目標です。そのため、KGIを基準に達成可能なKPIを設定することが重要なポイントです。カスタマーサポートとカスタマーサクセスは、顧客へのアプローチが違うため、KGIやKPIが異なるものになります。
KGIを基準にする
KPIは、KGI達成のために設ける中間指標です。KGIより先にKPIを設定すると、最終目標が実現不可能なものや不明瞭なものになってしまいます。そこで最初にKGIを設定し、KGIを基準にKPIを設定しましょう。理想は、KPIを達成していくと自然にKGIが達成できている状況です。
例えばKGIに「いつでもつながるカスタマーサポート」と設定した場合、KPIは応答率を測定するなど、最終目標に合わせることで、KPIの項目が明確に設定できます。
数字で達成状況を評価できるようにする
KPIは、数値化することで、達成状況がわかりやすくなります。そこで、KGIの達成状況を定量的に判断するため、数値化できるデータを用いてKPI設定をしましょう。
KPIの測定結果は、測定方法と達成状況を合わせて分析することで、カスタマーサポートで抱える課題が見えやすくなります。課題が見えやすくなると、迅速に対処できる上に、オペレーターへの意識づけに効果的です。
達成可能な目標を設定する
KPIを達成すると、オペレーターのモチベーションアップに役立ちます。反面、非現実的なKPIを設定すると「どうせ実現できない」とモチベーションが下がり、カスタマーサポートの品質低下を招きます。KPIは、達成可能な目標を設定しましょう。
また、複数の部門をまたぐ内容のKPIは、達成できなかった場合に原因の特定が難しくなります。判断に迷う内容を含めると、KPI分析ができなくなるので、データ面・対象者の範囲まで検討の上、達成可能なKPIを設定しましょう。
カスタマーサクセスとは分ける
カスタマーサポートは、問い合わせ対応・クレーム対応など、受動的なサービスです。一方でカスタマーサクセスは、顧客のニーズを収集したり商品・サービスの改善をしたりと能動的に働きかけを行います。
カスタマーサポートとカスタマーサクセスは役割が違うため、個別のKGIとKPIの設定が必要です。もし、似たようなKGIを設定している場合においても、顧客へのアプローチが異なるため、KPIは全く別のものになります。
カスタマーサポートで重視すべき7つのKPI
カスタマーサポートで重視すべきKPIは、以下の7項目です。
- 一次応答時間
- 処理時間
- 応答率
- 解決率
- エスカレーション回数
- 継続率
- 顧客満足度
本章では、重視すべきデータの取得方法と意味を解説していきます。
一次応答時間
一次応答時間は、問い合わせを受けてから最初に解答するまでの時間を指します。KPIの設定方法は、一次応答までの時間または一定時間以内の応答件数(サービスレベル)です。受けた問い合わせがすぐに解答できない問い合わせの場合は、状況を連絡するだけでも一次応答とみなされます。一次応答までの時間が短くなると顧客は安心できるので、顧客満足度向上につながります。
処理時間
処理時間は、オペレーターが1回の対応にかかる時間の長さです。処理時間は、単純に短ければよいというわけではありません。処理時間を必要以上に短くすると、丁寧な対応がしづらくなり、顧客満足度が下がる傾向にあります。顧客満足度を下げてまで処理時間を短くしても、意味がありません。
最優先に考えるべきは、顧客満足度です。処理時間と顧客満足度のバランスを見てKPIを設定しましょう。算出方法は、以下のとおりです。
処理時間の平均(AHT) = 通話時間の平均(ATT) + 後処理時間の平均(ACW)
1回の処理を終えたあとに再び問い合わせがきた場合、3パターンのいずれかで計測します。
- 1回目の処理時間に加えて算出する
- 1回の対応を1処理時間とし、再び問い合わせがきた率と合わせて分析する
- 1回の処理時間を「処理時間」、再び問い合わせがきた対応を含めた時間を「解決時間」とする
カスタマーサポートの状況により、事前にKPI設定のルールを決めておきましょう。
応答率
応答率は、解答ができたか否かに関わらず電話がかかってきた件数に対して応答した件数の割合を指します。算出方法は、以下のとおりです。
応答率(%) = 応答件数 / 着信数 × 100
応答率が低いと電話がつながらない状況が続くため、顧客満足度が下がります。応答率のKPIは、一次応答時間と合わせた分析がおすすめです。一次応答時間が長いほど顧客を待たせる上に、応答できる件数が減ってしまいます。応答率を上げるためには、オペレーターの教育や適切な人員配置の検討が必要です。
解決率
解決率は、応答内容に対して解決した割合を指します。解決率が100%より下回る場合は、未解決の対応があるということです。算出方法は、以下のとおりです。
解決率(%) = 解決数 / 問い合わせ数 × 100
さらに、解決率は3つに分類されます。カスタマーサポートのKGIに合わせて最適な解決率を設定すると良いでしょう。
- 課題解決率...問い合わせ数に対して結果的に解決した割合
- ワンコール解決率...関連部門への転送や折り返し電話などを含めて解決した割合
- 一次解決率...関連部門への転送や折り返しなどなく1回の応対で解決した割合
カスタマーサポート以外の応答ツールを提供するセンターでは「自己解決率」を出すケースがあります。自己解決率とは、顧客がFAQやチャットボットなどを利用し、カスタマーサポートへ電話せずに解決した割合を指します。
エスカレーション回数
エスカレーションとは、現場にいるオペレーターだけでは対応できない問い合わせを上司に相談したり、他部署から応援を呼んだりすることです。エスカレーションが必要以上に増えると、顧客を待たせる時間が長くなりカスタマーサポートの信頼度が下がります。
KPI設定において、単純にエスカレーション回数をカウントする場合と、平均エスカレーション回数を算出する場合とがあります。平均エスカレーション回数の算出方法は、以下のとおりです。
平均エスカレーション回数 = 総エスカレーション回数 / 問い合わせ件数
特定の分野に関する問い合わせでエスカレーション回数が多い場合は、マニュアルの見直しや現場で対応できる仕組みづくりの検討が必要です。
継続率
継続率は、新規顧客に対するリピーターの割合を指します。一般的に、既存顧客の維持より新規顧客を獲得する方がコストが高いです。そのため、KPIに継続率を設定し、費用対効果を測ります。継続率の算出時は、一定の期間を設定して算出します。計算式は以下のとおりです。
(設定期間の)リピート率(%) = (設定期間の)リピーター数 / (設定期間の)新規顧客数 × 100
継続率が変動する要因は、カスタマーサポートによるものだけではありません。しかしながら、カスタマーサポートの丁寧な対応が継続率アップの一要因となっているため、継続率は重要な要素です。
顧客満足度
顧客満足度は、カスタマーサポートの対応に対する満足度を指します。測定方法は、アンケートやNPS調査の回答、電話やメールの返答内容などです。NPS調査とは、ネットプロモータースコア調査の略で、カスタマーサポートのサービス推奨度を問う調査のことです。顧客満足度はカスタマーサポートへの直接的な評価となるため、モチベーション維持につながります。
KPI設定と分析は運用マネジメントまで対応できる「NTTネクシア」へ
設定すべきカスタマーサポートのKPIは多岐にわたります。また、設定しているKGI・KPIの効果が出ない場合は、目標設定から見直しが必要です。
現状かかえているカスタマーサポートが「課題を解決できたか否か」を判断するために、どのようなKGI・KPIを設定し、どんなデータを測定しなければならないのかわからない場合は、外部委託を検討してみてはいかがでしょうか。
「NTTネクシア」では、経験豊富なコンサルタントによる「カスタマーサポートの現状分析」から「運用マネジメント」まで、幅広い範囲でお悩みに合った対応が可能です。専門家のサポートを受けてKPI設定や運用を見直せば、自社カスタマーサポートの品質向上・安定運営が実現するでしょう。
まとめ
カスタマーサポートのKPIは、最終目標を達成するために設定する中間目標です。サービスレベルの把握と、オペレーターの認識を共通化するために設定します。
カスタマーサポートのKPI項目は、主に以下の7つです。
- 一次応答時間
- 処理時間
- 応答率
- 解決率
- エスカレーション回数
- 継続率
- 顧客満足度
KPIを測定し、早期に課題を可視化することで、より確実に最終目標達成につながります。KPIの設定や測定は、時間がかかる上に複雑なため、外部委託を活用してカスタマーサポート全体の品質向上につなげることもおすすめです。
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