インサイドセールスのトークスクリプトを作成する手順5ステップ!運用のポイントも解説
新しい営業手法としてインサイドセールスを導入する企業が増えています。インサイドセールスとは電話やメール等を使った非対面での営業活動の総称で、対面営業(フィールドセールス)のみを行うことと比較し、営業活動の効率化や営業力向上が期待できます。
この記事ではインサイドセールスの成果につながるトークスクリプトの作成方法を解説します。効果的なトークスクリプトの運用方法も分かる内容となっていますので、インサイドセールスの導入に興味のある企業さまも、インサイドセールスのより高い成果を創出したいと考えていらっしゃる企業さまもぜひ参考にしてみてください。
目次
インサイドセールスにおけるトークスクリプトのポイント
インサイドセールスとは、電話やメールなどを使って見込み顧客にアプローチする非対面での営業活動です。その目的は、多くの見込み顧客の中から受注確度の高いターゲットを見極め、フィールドセールスに渡すことです。
インサイドセールスではニーズが顕在化していない顧客に対して、電話やメールなどでアプローチを行い、成約の可能性が高まるまで育てていくナーチャリング活動を行います。成約の可能性を高めるためには、見込み顧客と良好な関係性を長期的に構築する必要があります。良好な関係性を構築するために、インサイドセールスのトークスクリプトでは、商談に有効な情報やニーズを把握するための「ヒアリング」を行うことが重要なポイントになります。
インサイドセールスとテレフォンアポイントとの違い
インサイドセールスとテレフォンアポイント(テレアポ)は混同されがちなため、違いを確認しましょう。
テレフォンアポイントとは、顧客との「アポイントを獲得する」ことが目的です。受注確度の高いターゲットを見極め、フィールドセールス渡すことが目的のインサイドセールスとは異なり、テレフォンアポイントではアポイントをより多く獲得することを目標に業務を行います。そのためニーズ等をヒアリングするよりも、商品の機能やサービスを利用するメリットなどの説明が多くなる傾向があります。
またインサイドセールスは長期的に顧客とコミュニケーションを行う一方、テレフォンアポイントは成果を得るまでの期間が短いことも違いです。
インサイドセールスやテレフォンアポイントやその他のアウトバウンド業務について、各々の特徴や目的を知りたい方は、解説を行っている下記の記事もぜひご一読ください。
インサイドセールスでトークスクリプトを作成するメリット3選
インサイドセールスでは顧客と会話する中で現状や課題を聞き出し、ニーズを正確に把握する「ヒアリング能力」が求められます。そのため、担当者のトークスキルが成果に影響しやすいです。そこで、トークスキルの標準化に役立つのが「トークスクリプト」です。
またトークスクリプトがあることで営業担当者のトークスキルを標準化できるだけでなく、新人教育にも役立ちます。この章ではインサイドセールスでトークスクリプトを作成するメリットを詳しく解説します。
トークスキルの標準化につながる
営業トークは属人化しやすく、個人のスキルに依存する部分が大きいです。そのため、トーク内容のバラツキや営業のノウハウが確立されないなどの課題が発生しやすくなります。そこで成果を出している営業担当者のトークを分析し、トークスクリプトにまとめることでスキルの標準化が可能です。話し方やトークの流れなど、成功パターンを共有することで安定した営業活動につながります。
またニーズの引き出し方や提案するタイミングなどを具体的に記載することで、経験値や個人のスキルに左右されることなく成果につなげやすくなります。さらにトークスクリプトがあれば顧客の悩みや求めていることなどを漏れなくヒアリングできる仕組みが作られ、効果的なインサイドセールスの実施が可能です。
セールストークの改善点が明確になる
トークスクリプトの活用により、トークの全体像を客観的に見直せるので改善点を明確にしやすくなります。またトークの基準を一定にすることで、成果につながったキーワードなどを分析しやすくなります。トークスクリプトの活用により、効率的なセールストークの見直しや改善が可能になります。
またトークスクリプト通りに話を進められているか、違和感のある箇所はないかなどをチェックすることで、改善すべき点に注目してトークのトレーニングを行えます。問題を客観的に把握して改善し続けることで、営業トークの精度やパフォーマンスの向上につながります。
新人教育に活用できる
トークスクリプトは、新人教育や営業担当者の人材育成に活用できるメリットがあります。トークスクリプトは優秀な営業担当者のトークを参考にするため、インサイドセールスの経験が少ない新人でも成果を上げられる仕組みを構築できます。
経験が浅くスキルが未熟な場合「何を話していいか分からない」「話の進め方が分からず不安」など、営業活動に対する悩みを抱えやすいです。トークスクリプトがあれば、スキル不足が招く悩みを解消して自信をもってインサイドセールスに取り組めます。
インサイドセールスのトークスクリプト作成手順5ステップ
この章では、インサイドセールスの成果につながるトークスクリプトを作成する手順を5つのステップで紹介します。
- 目的の明確化
- ターゲットの設定
- ヒアリング内容の決定
- トークフローの基本構造の作成
- 具体的なトーク内容の作成
各ステップのポイントを詳しく解説するので、トークスクリプト作成時の参考にしてみてください。
目的の明確化
まずは、インサイドセールスの目的を明確にしましょう。インサイドセールスは受注確度の高いターゲットを見極め、フィールドセールスにつなげることがゴールですが、さらに具体的に、「フィールドセールスから連絡を行うことの許諾を得ること」や「資料送付の許諾の獲得」などのその電話の目的を明確にすることが大切です。目的を明確にすることで顧客に対するトークの方向性が定まるので、インサイドセールスで成果を上げることのできる可能性が高まります。
ターゲットの設定
会話する相手によって話す内容やアプローチする方向性が異なるため、ターゲットを明確にすることが大切です。最終的に案内する商品やサービスの特徴を踏まえ、ターゲットの人物像や年齢などを設定しましょう。マーケティング戦略でペルソナ設計を行っている場合は、設定した人物像を参考にターゲットを定義すると良いです。
ヒアリング内容の決定
案件の成約率を向上させるためには、フィールドセールスの担当者に有益な情報を渡す必要があります。そのためには良好なコミュニケーションを図り、相手の求めていることや抱えている悩みなどを正確に把握することが重要です。相手のことをよく知るために自社の商品・サービス導入に関わる情報を盛り込んだヒアリング内容を項目に入れ、具体的なニーズを引き出せるトークスクリプトを作成しましょう。
また悩みなどを正確に把握できた後は、成約につなげるためにBANT-CHをヒアリングすると、スムーズにフィールドセールスに引継ぎを行うことができます。BANT-CHとは、以下のヒアリング内容です。
- Budget(予算)
- Authority(決裁権をもつ人物・決裁フロー)
- Needs(ニーズ)
- Timeframe(商品・サービスが必要な時期)
- Competitor(競合)
- Human resources(人的資源)
インサイドセールスの時点で予算や決裁権を持つ人物を把握できればフィールドセールスを効率良く行えますが、相手に警戒される可能性があるため自然な流れでヒアリングすることが大切です。まずは「はい」「いいえ」で答えられるクローズドクエスチョンからスタートし、相手の関心が高まったタイミングで自由に回答できるオープンクエスチョンに切り替えると良いでしょう。
トークフローの基本構造の作成
ヒアリング内容を決定したのち、トークフローの基本構造を作成して会話の流れを可視化します。トークスクリプトの基本構造を作成する際は、以下の3段階に分けて作成すると良いです。
- フロントトーク(自己紹介・取次依頼、電話をかけた目的など)
- メイントーク(現状把握・悩みごとやニーズの把握・商品やサービスの案内など)
- クロージングトーク(個人情報の取得・今後の案内など)
重要な質問項目を盛り込み、言い回しや条件分岐などの設定を行います。
インサイドセールスのトークスクリプトを運用する際の3つのポイント
トークスクリプトを作成してインサイドセールスを行う際は、以下のポイントを押さえておきましょう。
- 実践を想定してロールプレイングを行う
- よくある質問集を用意しておく
- 定期的な見直しと改善を繰り返す
トークスクリプトを効果的に運用することで、インサイドセールスの成約率向上につながります。
実践を想定してロールプレイングを行う
インサイドセールスを円滑に行えるよう、実践を想定したロールプレイングを実施してトークに磨きをかけることが大切です。トークスクリプトはそのまま読んでも会話が成り立つように作られていますが、棒読みでは顧客に不信感を与える可能性があります。インサイドセールスの担当者役と顧客役に分かれてロールプレイングを行い、スムーズに会話を行えるよう繰り返しトレーニングを行いましょう。
よくある質問集を用意しておく
営業活動では、費用やプランの違いなど質問を投げかけられることがあります。質問を受けた際にスムーズに返答できないと、顧客に不信感を与えてしまう恐れがあります。
インサイドセールスでは顧客と良好な関係を築くことが大切なポイントでもあるため、どのような質問にも答えられるよう準備しておきましょう。よくある質問とその切り返しトークをまとめ、事前に用意しておくことで、インサイドセールスを円滑に進められます。
定期的な見直しと改善を繰り返す
トークスクリプト作成後は、定期的な見直しを行いブラッシュアップすることが大切です。具体的には、必要に応じて応対記録や電話の音声を確認を行い、成果につながらない原因や問題点の傾向を把握します。その後トークスクリプトの言い回しや条件分岐の課題を洗い出し、見直しを図るPDCAを回します。 また成功した切り返しがあったときは、次回の営業活動に活かせるように積極的に取り入れていきましょう。トークスクリプトは個人単位での改善ではなく、組織全体に共有してトークを見直していくことで成果アップにつながります。
まとめ
インサイドセールスにおけるトークスクリプトは、顧客と良好な関係性を構築するための「会話の台本」です。自己紹介や商品説明だけでなく、質問への回答などもまとめておくことで、成功率の高いインサイドセールスを行うことができ、企業全体の営業力向上につながります。
NTTネクシアには、多様な業務におけるコールセンター導入実績があり、インサイドセールスのBPO(ビジネスプロセスアウトソーシング)のご提供も可能です。質の高いトークスクリプトの作成から電話応対品質向上につながるサービスやツールの提供までアウトソーシングしていただくことが可能です。インサイドセールスをこれから導入されたい企業さまや、導入済みで成果向上にお困りの企業さまは、ぜひNTTネクシアにご相談ください。
また外部委託を検討中の企業担当者さまに向けて、委託先の選定ポイントをまとめた記事をご用意しています。インサイドセールスなどのアウトバウンド業務の課題解決につながる内容の解説も行っていますので、ぜひ以下のコラムやお役立ち資料もご一読ください。
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