【2024年最新】児童手当拡充による3つの変更点!法改正に伴う自治体業務の課題と解決策も紹介

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政府が推進する少子化対策により、子育て世帯への支援が大きく変化します。施策のなかでも注目度が高いのが「児童手当の拡充」です。第3子以降の支給額増額や対象年齢の引き上げなど、経済的支援を強化する方針です。

今回の法改正では受給資格や支給額などが大きく変わるので、詳しい内容を知りたい方は多いのではないでしょうか。そこで今回の記事では、児童手当拡充における変更点を解説します。自治体における課題や解決策も紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。

目次

現行の児童手当支給要件

2024年10月分から、児童手当が拡充される予定です。まずは現行の児童手当の要件を、以下の3つのポイントで解説します。

  • 受給資格
  • 支給額
  • 支給日と方法

児童手当拡充による変更点を理解するためにも、現行の支給要件を把握しておきましょう。

受験資格

児童手当の支給対象者は「15歳の誕生日を迎えた後の最初の3月31日までの子どもを養育している方」で、原則として児童が日本に住んでいることが条件です。日本に住所がない児童は、対象外となります。ただし、留学の場合は一定の要件を満たしていれば支給されます。児童手当を受給できる要件は、以下の3つです。

  • 日本の住所を有しなくなる前日までに、継続して3年以上国内の住所を有していた
  • 教育を目的として海外居住し、父母と同居していない
  • 日本の住所を有しなくなった日から、3年以内である

また養護施設や里親に養育を委託している場合は、原則として父母ではなく施設の設置者または里親に支給されます。なお児童手当を受給するためには、現在住んでいる市区町村への申請が必要です。引っ越しや留学など、住所が変わる場合は必ず申請手続きを行わなければなりません。

支給額

児童手当の受給対象となる子ども1人あたりの支給額は、以下のとおりです。

  • 3歳未満:一律15,000円/月
  • 3歳~小学校修了前:10,000円/月(第3子以降は15,000円/月)
  • 中学生:一律10,000円/月

現行の児童手当は、中学生まで支給されます。3歳未満と中学生以上は、子どもの数に関係なく一律同額です。3歳以上小学校修了前では、第3子以降の子どもに対して5,000円増額されます。なお現在は「所得制限限度額」と「所得上限限度額」が設けられています。

所得制限限度額を超えると、児童手当の代わりに「特例給付」として子ども1人につき月額5,000円支給されます。所得上限限度額を超えた場合は、特例給付の支給もありません。ただし「所得制限限度額」と「所得上限限度額」は、扶養親族等の数により異なります。

支給日と方法

児童手当の支給日は、年に3回あります。支給時期と内訳は、以下のとおりです。

  • 6月:2~5月分
  • 10月:6~9月分
  • 2月:10~1月分

    支給日は、住んでいる地域によって異なります。支給方法は、設定月に4ヶ月分をまとめて指定の口座に振込みます。各自治体で振込のルールが定められており、振込日が土日祝のときは前後に変更されるのが一般的です。多くの自治体が公式Webサイトに情報を掲載しており、児童手当の振込ルールなど詳しい内容を確認できます。

    参照元:児童手当の支給日(振込日)はいつ?支給金額や申請についてもわかりやすく解説

    児童手当の拡充による3つの変更点

    児童手当拡充による変更点は、以下の3つです。

    • 所得制限の撤廃
    • 支給対象年齢の引き上げ
    • 手当額の拡充

    今回の法改正では「子どもを社会全体で育てる」という理念のもと、児童手当の趣旨を見直して不公平感のない支給を行う方針です。この章では、変更点の具体的な内容を解説します。

    所得制限の撤廃

    所得制限をなくして、世帯主の所得額に関係なくすべての子どもに支給されます。これまでも所得制限の設定と撤廃を繰り返した経緯があり、今回の改正案が出た際に注目された部分でもあります。2022年10月に所得制限が設けられたにもかかわらず、今回の法改正では「すべての子どもの成長を支える観点」から撤廃すべきであると改正案に盛り込まれました

    所得制限の問題点は、基準となる収入が「世帯主のみ」という点です。共働きで「世帯年収」が所得制限限度額を超えていても、世帯主の年収が基準額以下であれば支給されます。そのため、世帯年収の総額が高い家庭に支給されるという不公平感が生まれてしまいます。

    所得制限を設けることは児童手当の「すべての子どもの成長を支える」という趣旨から外れていると判断し、今回の法改正で撤廃する方針が決定しました。

    支給対象年齢の引き上げ

    現行の支給期間は0歳から中学校卒業までですが、変更後は高校卒業までに伸ばす方針です。素案には「高校生」と表記していますが、高等学校に通っていることが条件ではありません。高校に通っていなくても、保護者と生計が同一であることなどを要件に「18歳の誕生日を迎えた最初の3月31日まで」支給される見通しです。

    会社員やアルバイトなど働いていても、生計が同じで保護者が子どもを養育していれば支給要件を満たしていることになります。しかし子どもが一人暮らしをして自分の給料だけで生活している場合は、独立しているとみなされるので支給対象外になる見込みです。

    手当額の拡充

    現行は第3子が3歳以上小学校修了前の期間のみ、基本の支給額に5,000円増額されて「15,000円」となっています。法改正後は、第3子は「0歳から高校卒業まで30,000円支給」となる見込みです。ただし、第3子のカウント方法に注意が必要です。

    当初は「受給対象となる子どものみをカウントする」としていました。そのため第1子が高校を卒業すると、第3子は繰り上げられて「第2子」としてカウントされます。しかし今後は子どもの数え方が見直され、22歳を迎える年度末までは「第1子」としてカウントする見通しとなっています。

    以下の表に、現行と拡充案の支給額をまとめているのでご確認ください。

      現行 拡充案
      第1子・第2子 第3子以降 第1子・第2子 第3子以降
    0〜2歳 15,000円 15,000円 15,000円 30,000円
    3〜小学生 10,000円 15,000円 10,000円
    中学生 10,000円 10,000円
    高校生 0円 10,000円

    ※太字下線:拡充箇所

    子ども3人以上の多子世帯に向けた経済的支援強化が、今回の児童手当拡充において注目されているポイントです。

    参照元:日本経済新聞「児童手当の第3子加算、第1子の22歳年度末まで 政府調整」

    児童手当が拡充される背景

    日本における少子化は年々深刻化しており、このまま出生数が低下すれば労働人口の減少や社会保障負担増加など社会的影響が懸念されています。そこで異次元の少子化対策として、こども政策を強化する方針です。少子化対策の基本的な方向性は、以下の3つです。

    • 児童手当を中心とした、経済的な支援強化
    • 幼児教育・保育の強化とすべての子育て家庭を対象としたサービスの拡充
    • 働き方改革の推進と制度の充実

    少子化の背景には、若年層の経済的不安が関係していると考えられています。そこで児童手当を中心とした、経済的支援を強化する方針が掲げられました。子どもを持つか否かの判断は個人の意思を尊重すべきですが、経済的不安を理由に希望が叶えられない状況は改善する必要があるとして「異次元の少子化対策」が進められています

    児童手当拡充に伴い予想される自治体業務の課題

    児童手当拡充に伴い、住民から自治体への問い合わせ増加が予想されます。また近隣の自治体との情報共有や連携の強化のために進められている「標準準拠システムへの移行」の遅れが懸念されます。児童手当拡充に伴う自治体業務の課題を把握し、業務に支障をきたさないよう体制を整えることが大切です。

    住民からの問い合わせ対応

    児童手当拡充に伴い、住民からの問い合わせ増加が予想されます。問い合わせ内容は、以下のようなものが考えられます。

    • 受給要件について
    • 児童手当の支給額について
    • 児童手当を受給する際の手続き
    • 振込先について
    • 転居する際の手続き
    • 子どもの数のカウント方法
    • 支給開始日や終了日

    児童手当の拡充に伴う質問や受給するための手続きなど、さまざまな問い合わせが予想されます。電話での問い合わせ対応だけでは、自治体職員への負担が増加する可能性が高いです。そこでFAQやチャットなど、問い合わせ対応に有効なツールの活用が求められています。

    自治体情報システム標準化の遅延

    自治体情報システム標準化は、日本の1,700以上ある自治体が使用するシステムを「標準準拠システム」へ移行することです。2025年度末までに、対象の20業務のシステムを標準準拠システムに移行させるとしています。対象の20業務は、以下のとおりです。

    1. 住民基本台帳
    2. 選挙人名簿管理
    3. 国民年金
    4. 固定資産税
    5. 個人住民税
    6. 法人住民税
    7. 軽自動車税
    8. 国民健康保険
    9. 障害者福祉
    10. 後期高齢者医療
    11. 介護保険
    12. 児童扶養手当
    13. 児童手当
    14. 子ども・子育て支援
    15. 戸籍
    16. 戸籍の附票
    17. 生活保護
    18. 健康管理
    19. 就学
    20. 印鑑登録

    児童手当も対象の業務に該当しており、システムの移行が必要です。児童手当拡充が加わったことで、追加のシステム改修や対処が必要になる可能性があります。そのため、自治体情報システム標準化に遅延が生じることが懸念されています。電話応対に関するシステムの導入をご検討中の自治体さまは、具体的な取り組みや成果を紹介している下記のコラム記事をぜひご参照ください。

    児童手当拡充に伴う課題はアウトソーシングで解決

    児童手当拡充に伴い、住民からの問い合わせ増加による職員の負担増加が予想されます。支給対象年齢の引き上げや所得制限の撤廃により、これまで対象外となっていた世帯からの問い合わせまたは手続きが増えるでしょう。そのため自治体においては、これまで以上に効率の良い業務遂行が求められます。そこで予測される課題を解決する手段として、アウトソーシングの活用が有効です。

    NTTネクシアでは、これまでのコールセンター業務の経験を活かした問い合わせ対応が可能です。よくある質問に対してはチャットやFAQによる自己解決を促し、複雑な問い合わせに対してはオペレーターが的確な回答を提供できます。問い合わせ対応の効率化を図りたい自治体さまは、ぜひNTTネクシアへご相談ください。

    まとめ

    異次元の少子化対策では子育て世帯の経済的負担を軽減するため、児童手当の拡充が盛り込まれています。多子世帯減少や子どもの多い家庭の経済的負担への対策として、第3子以降の支給額を15,000円から30,000円に増加される見込みです。また所得制限を撤廃し、すべての子どもの成長を支える考えを示しています。

    しかし自治体においてはシステム標準化も進めなければならないため、児童手当拡充に関連する業務負担の増加が懸念されています。ほかにも住民からの問い合わせ増加が予測されるなど、業務遂行に影響が出る可能性が高いです。

    NTTネクシアでは、自治体さまの課題に寄り添ったソリューションをご用意しています。とくに電話応対業務においては、これまでの実績と経験を活かしたサポートが可能です。問い合わせ増加への対策を検討中の自治体さまは、お気軽にNTTネクシアへご相談ください。

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